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生薬の話

普導丸は「なぜ効くの?」総まとめ

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 例年に比較し暖かな毎日が続いています。このぶんですと、木曽郡の中でも開田に次ぐ寒さの木祖村も、桜の開花が早まるのではないかと期待しています。

  

 さて、今回は、普導丸は「なぜ効くの?」についての考察をまとめてみました。

 昭和42年に承認を取得した普導丸は、7種類の生薬を配合した生薬製剤ですが、溜飲・悪心嘔吐・乗り物酔い・二日酔い・めまい・口臭・胸つかえ・気分不快・暑気あたりと多様な症状に効果があり、また、医薬品ではなく「予防や衛生」を目的とする医薬部外品の口中清涼剤に類別されていることから、お客様からの問い合わせに対しての返答に苦慮してきました。

そのため、2020年の秋に『普導丸のエビデンス(科学的根拠や証拠に基づく立証)構築に向けて』と題した検討会を立ち上げました。

検討の経緯とその結果

 当初、科学的根拠に基づく数値あるいは信頼できる検証結果によって分かりやすく説明できるようになることを目指し、大学病院の耳鼻科と連携しているエビデンス取得のためのリサーチ会社を訪ね、情報収集を始めたのですが、資金調達面を含め、当社でできることの準備が出来ていないこと(しなければならないこと)に気付き、まずは、当社ができることから着手しようということになりました。

 2021年の3月に「お客様向けアンケート」を実施しました。その集計を取り纏めた結果、やはり予想していた通り、様々な効能効果がある中でも「めまい」「気分不快」で服用される方が多いことが明確になりました。アンケートによって服用傾向を数値化することで、予想していたことが確かめられたのです。

 次に、この集計結果を踏まえて具体的にどのような説明が「適切な情報提供になり得るのか」を、2021年11月に生薬学の先生にお越しいただき、検討会を実施しました。

西洋薬(合成製剤)と伝統薬(生薬製剤)の違い

 先生のご見解や意見交換をした結果として浮かび上がってきたのが、西洋薬(合成製剤)と伝統薬(生薬製剤)の違いです。

 生薬製剤は、古代中国医学の経験的根拠によって見出された生薬を何種類も組み合わせて製剤化した薬物です。特定の疾病(症状)に対して有効な成分だけを取り出し合成して製剤化している西洋薬とは異なり多くの作用があります。比較試験等で評価することが可能な西洋薬に対して、何種類もの成分を含有する生薬製剤は身体全体に働きかけ総合的に体調を整えることから、特定の症状だけの作用に対する評価は大変難しいと思うようになりました。

 病気になっていない未病の段階で服用できる予防薬、つまり、めまいや気分不快といった不定愁訴に作用し、効果をあらわす医薬部外品が普導丸であり、「どういった場合に、どのように服用するのか」というような、それぞれの症状に応じた、その方に適した具体的な方法をお伝えしなければ適切な返答にはなりません。お客様からのお問い合わせの一例一例によく耳を傾け、受け止め、考え、対話し、その方に最も適した服用方法等をお伝えするのが大切であると思うようになりました。

吐き気や不快感は千差万別

 いわゆる不定愁訴(気分不快、めまい、全身倦怠など)と言われる不快感は、その方の体質、年齢、性別、病歴、季節、環境などによって異なり、画一的な説明だけでは不十分です。医薬部外品の普導丸は、吐き気その他の不快感の防止を目的とする内服薬で、医薬品のように治療に用いるというよりは、予防あるいは再発防止のために用いる薬です。問い合わせ内容も千差万別です。お客様の症状に合った説明を心掛けることで、違和感のない説明になると思うのです。

まとめ

 西洋医学は科学的根拠に基づく治療が大原則です。普導丸を安全に服用していただくためには、たとえ医薬部外品であっても科学的根拠に基づく製品説明が必要で、そのためには、いずれかのタイミングを見計らい、科学的根拠のリサーチを開始しなければなりませんが、まずは、普導丸についてのお問い合わせ履歴の整備に取り掛かり、社内学習資料として「問い合わせ事例集(対話集)」を作成し、読み合わせや意見交換を行い、実際のお客様へのお問い合わせ対応に役立てたいと思っています。

日野製薬 普導丸 ふどう丸

<これまでの普導丸は「なぜ効くの?」>

▶普導丸は「なぜ効くの?」 その1

▶普導丸は「なぜ効くの?」その2

▶普導丸は「なぜ効くの?」その3 ~まとめ~


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