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生薬の話

普導丸は「なぜ効くの?」その2

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明けましておめでとうございます。
新しい年を迎え皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。

 昨年「キハダ一本から買います活動」と称して、国内産オウバクの調達のため、一般の方々に幅広く呼びかけところ、安曇野在住の方からキハダの大木があるとの連絡をいただきました。
下の写真(撮影:2021年12月24日)は、そのキハダの皮むきをしている光景です。周皮を取り除き、内側の鮮紅色の樹皮が、百草・百草丸・百草錠・普導丸の原料となるオウバクです。

 本年も国内産オウバクの入手に力を注いでまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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 さて、昨年の12月に引き続き「普導丸はなぜ効くの?」について、記述させていただきます。

普導丸の製造方法について

 驚くべきことに、オウバク末以下ウイキョウ末までの7成分を秤量し、混ぜ合わせ、常水を加え、練合、製丸、乾燥、面取りの後、アラビアゴム末で銀箔をコーティングしますが、7成分の結合剤として使用しているのは常水のみなのです。さらに銀箔をコーティングする際の結合剤は、生薬のアラビアゴム末を常水で溶かしただけの溶液なのです。
普導丸は、天産物であるオウバクの粘液性と同じく天産物のアラビアゴム末の粘滑性を活用して成型した丸剤で、無駄な加工や処理一切行わずに、真にシンプルに自然に仕上げた丸剤なのです。

普導丸の効能について

 病気には至っていないけれど「ちょっと変」と感じた時に予防薬として服用していただくのが普導丸です。配合の7種類の生薬は、いずれも古くから用いられてきた生薬です。たとえば、センキュウについて、張元素(中国金代の医者1131~1234)は「センキュウは血虚頭痛を治す聖薬である」と言っています。また、李東垣(りとうえん:中国金元四大家の医者の一人1180~1251)は「頭痛には必ずセンキュウを用いる」と言っています。

胃腸病に用いるオウバク末、ガジュツ末に、鎮痛・増血薬に用いるセンキュウ末、トウキ末を配合し、さらに3種類の芳香健胃薬を程よく組み合わせたところに普導丸の良さがあると思っています。また生薬には未知のものも含めていろいろな作用の成分が入っています。化学薬品がむき出しの刃をもった純粋物質とすれば、生薬はいろいろな成分に包まれた有機物のイメージです。

処方薬としての生薬漢方製剤について

 身体に不具合があり受診すると、診断結果によっては、化学薬品と漢方製剤の両方が処方されることがあります。中国や韓国では、現代医学で治療する医師・病院と伝統医学で治療する医師・病院は全く別な機構になっているとのことですが、幸にして、現代の日本では、現代医学と伝統医学が一元化されています。
広島大学病院総合内科・漢方診断センター特任教授の小川恵子先生は、この一元化された日本の医療のメリットとして、以下の項目を挙げています。

  1. 医師の診断により、医療用漢方製剤(エキス剤)148種類、調剤用生薬約200種の薬剤投与が受けられる。
  2. 予防的に用いることができる。
  3. 西洋医学では対処できない症状(気分不快、めまい、全身倦怠など)に対する効果が高い。
  4. 四季、気候、多忙、年齢などを考慮して有効な処方を決定できる。
  5. 病名ではなく、病態や症状を漢方医学的に診断して処方決定ができる。


 このような治療は、専門分化された現代医学が経糸とすれば、伝統医学は緯糸のような存在で、一元化システムによって統合することで患者さんに多くの選択肢と安心感を提供することができるとおっしゃっています。

出典:薬事日報(2021年9月24日)「漢方医学による統合医療を目指して」より


 普導丸は、医師が処方する生薬漢方製剤ではなく、市販薬としてお求めいただける生薬製剤です。病気の予防や予後、その再発防止にセルフケアーとしてご使用いただき、健康的な日々をお送りいただきたく存じます。

寒さが一段と増しています。お体に気をつけてお過ごしください。


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