生薬の話
普導丸は「なぜ効くの?」その3 ~まとめ~
御嶽山の火山活動が沈静化傾向にあり、噴火警戒レベルが1に引き下げられました。今年も7月2日に地元の多くの方々と協力して、登拝の方々の安全を祈願しつつ、里宮口、王滝口の登山道整備をしました。皆様のお越しをお待ち申し上げております。
さて、当社では、普導丸の効能効果の分かり難さの克服のために、科学的根拠(エビデンス)に基づいた数値又は信頼できる検証結果で示すことが出来ないものかと検討してきましたが、検討を重ねているうちに浮かび上がってきたのが「普導丸のような生薬製剤は、未だ未解明の成分も含めて多成分で構成されており、その丸ごとの効果が効果であって、化学薬品と同様に科学的指標だけで効果を示そうとしても説明し尽せない」また「いわゆる不定愁訴(気分不快、めまい、全身倦怠など)と言われる症状は、その方の体質、年齢、性別、病歴、季節、環境などによって異なり、画一的な説明だけでは不十分」というものです。
今回は、これらの「浮かび上がってきた考え」について、お話させていただきます。
経緯
まず、1昨年の秋から検討を開始し、昨年の3月に「お客様向けアンケート」を実施し、その集計をまとめました。普導丸には様々な効能効果がありますが、予想していた通り、その中でも「めまい」「気分不快」で服用される方が多いことが明確になりました。アンケート調査を行うことで、信憑性のある数値として傾向を把握することができたのです。
次に、この集計結果を踏まえて具体的にどのような説明が適切な情報提供になり得るのかを、昨年11月に専門の生薬学の先生にお越しいただき、検討会を実施しました。
浮かび上がった考え
先生のご見解やその後の意見交換の中で、浮かび上がってきたのが「西洋薬(合成製剤)と伝統薬(生薬製剤)の違い」です。「複数の生薬を組み合わせた生薬製剤においては、科学的根拠に基づく製品説明だけでは説明しきれない」というものです。伝統薬(生薬製剤)は、中国古代の漢民族が経験によって体系立てた医学理論に基づく治療薬をルーツとしています。経験によって得られた知識や知恵を集積し、それを根拠に効能効果を導き出しています。ある特定の疾病(症状)に対して有効な成分だけを取り出し合成して製剤化する西洋薬とは根本的に異なるのであり、科学的データだけで効能効果を説明しようとすることそのものに無理があります。多種多様な成分を含む漢方・生薬製剤の薬効は、純粋な化合物である化学薬品と比較し、適応・服用方法・作用機序等の点でも多くの相違があるのです。
もう一つ浮かび上がってきたのが「医薬部外品の普導丸は、吐き気その他の不快感の防止を目的とする内服薬で、医薬品のように治療に用いるというよりは、予防あるいは再発防止のために用いる薬であり、効能効果の表示・標榜が難しい上に、お客様からの問い合わせ内容も千差万別である」ということです。
気づいたこと
「どういった場合に、どのように服用するのか」というような、それぞれの症状に応じた具体的な製品説明(情報提供)が重要ということに改めて気付かされています。もう少し掘り下げますと、我々情報提供者は、問い合わせの内容によく耳を傾け、受け止め、対話し、その方に最も適切と思われる服用方法等の情報提供が必要ということです。今、私たちに求められているのは、実際の問い合わせ内容の履歴であるこれまでの問い合わせカードを取りまとめ「事例集(対話集)」として発行することにあると考えます。この「事例集(対話集)」を踏まえてお客様それぞれの症状に応じた情報提供をすることにあると考えます。
まとめ
現代の医療においては、科学的根拠(エビデンス)に基づく情報提供が大原則ですが、普導丸は全身的・総合的に作用するのが特長です。普導丸には複数の生薬を配合していることから、不定愁訴(気分不快、めまい、全身倦怠など)の軽減に幅広く予防効果をあらわします。お客様からのお問い合わせに対しては、普導丸の製品特性に加えて、対話を重視し、その方に適した服用方法や対処方法をお伝えすることができれば、よりよい情報提供ができ、効果も高まるものと考えています。
暑さの折、皆さまお体を大切にお過ごしください。