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薬食同次元

「百草の森」のご紹介

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 本社には三寸あやめが咲き、緑も一層濃くなりました。間もなく梅雨の入りですが、いかがお過ごしでしょうか。

  

 さて、「百草の森(ひゃくそうのもり)」についてご紹介いたします。

 弊社は2024年5月、木祖村 鳥居峠ふもとの登山道入口に、キハダ植樹を行いました。この場所をその後「百草の森」と名付けました。植樹から2年が経過し、少しずつ木々が成長しています。

百草の森とは

 「百草の森」は、信州木曽の伝統薬である百草(百草)、百草丸(ひゃくそうがん)の主原料であるミカン科の落葉高木「キハダ」をはじめとし、様々な樹種が生育する森です。 

 キハダの樹皮である生薬オウバクは、年々日本国内の採取量が減少しています。良質な薬づくりに良質なキハダを欠かすことはできません。弊社では、国内産オウバクを用いた薬づくりを継続していきたいと願い、毎年キハダの植樹を継続しています。

 百草の森は、2024年にキハダを植樹した場所です。この年は、新たな取り組みとして、「キハダ林の植樹」に加え、キハダを含む「混交林の植樹」を開始した年でもあります。全5種類の樹種を植樹しました。

 鳥居峠を訪れる方々を温かくお迎えする美しい森、そして水源涵養、生物多様性の保全、保健休養の場の提供など、森林の多面的機能を発揮する森を目指しています。

百草の森で見られる樹種

 百草の森に植樹した5つの樹種とは、キハダ、及びヤマザクラ、イロハモミジ、エンジュ、エゴノキです。また、植樹した苗木以外にも、様々な樹種が芽を出しています。これらは、その場所に落ちていた種や残っていた根からの天然更新によるものです。植樹した木、天然の木のいずれも大切にし、より自然に任せて、多様性にあふれる森を目指していきたいと考えています。

  

 5つの樹種と植樹の対象として選定した経緯をご紹介します。

    

●キハダ
植物名:キハダ
和名:黄檗
学名:Phellodendron amurense Ruprecht
科名:ミカン科
属名:キハダ属
キハダの周皮を除いた樹皮は生薬オウバクです。オウバクは鮮明な黄色を呈し、これがキハダの名の由来とされています。オウバクは古くから薬用としても、染料としても用いられてきました。信州木曽の伝統薬、百草、百草丸の主原料です。
国内産オウバクの収穫量が年々減少しており、百草、百草丸を未来へ継承するため植樹を行っています。  

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●ヤマザクラ
植物名:ヤマザクラ
和名:山桜
学名:Prunus Jamasakura
科名:バラ科
属名:サクラ属
ヤマザクラは本州(関東地方以西)・四国・九州に分布する日本の代表的な桜です。4月頃、葉と同時に白色、淡紅色や淡紅紫色などの花をつけます。
鳥居峠によく生育している樹種で、春に花が楽しめるため選定しました。

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●イロハモミジ
植物名:イロハモミジ
和名:伊呂波紅葉
学名:Acer palmatum
科名:カエデ科
属名:カエデ属

イロハモミジは、本州(福島県以西太平洋側)、四国、九州、朝鮮、中国東部に分布し、紅葉する木の代表です。
鳥居峠によく生育している樹種で、秋に紅葉を楽しめるため選定しました。

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●エンジュ
植物名:エンジュ
和名:槐
学名:Styphnolobium japonicum
科名:マメ科
属名:エンジュ属
エンジュは樹高10m〜20m程になるマメ科の落葉高木で、7月〜8月頃に白い蝶々のような花が咲きます。
中国北部を原産とし、高貴で縁起の良い木として知られています。日本には、奈良時代に薬用に渡来したとされ、現在は庭木、街路樹としても植えられています。
薬用植物としても用いられ、薬用部位は、蕾、葉でそれぞれ生薬名は槐花(カイカ),槐葉(カイヨウ)です。花は伝統的には止血薬として鼻血,痔,血便,血尿などに用いられてきました。
混交林植樹について育苗農家へご相談した際おすすめいただき、薬用植物でもあるため選定しました。

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●エゴノキ
植物名:エゴノキ
和名:エゴノキ
学名:Styrax japonicus Siebold et Zucc.
科名:エゴノキ科
属名:エゴノキ属
エゴノキは日本全土に分布する落葉樹です。5月~6月にかけて白い花を下向きにつけ、秋には卵形の果実が熟します。古くから親しまれてきた万葉植物の一つで、和名の由来は果皮が有毒でえぐみがあることによります。昔はこの果実をすりつぶして川に流す漁法が行われていたとされます。
和傘の柄の原料だが、枯渇していると伺ったため選定しました。

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 なお、それぞれの樹種を判別するため、植樹時に竹棒に色の異なるリボンをつけました。植樹から2年経過し、リボンの色は少々あせていますが、葉の形等だけでは、樹種が分かりづらい時のため、ご参考までにご紹介します。

  

 <リボンの色>

 キハダ:何もついていない、または、黄色、白

 ヤマザクラ:青

 イロハモミジ:赤

 エンジュ:オレンジ

 エゴノキ:緑

これらの樹種を植樹した理由

 キハダを含む「混交林」を植樹した理由は、主に2つあります。

 一つは、木祖村は、木曽川の源流の里であることです。豊かな水は、豊かな森と肥沃な土によって育まれます。源流の森を守り育て、その土壌から美しい水を育み、木曽川の源流から下流までの、多くの方々の暮らしや産業に寄与するため、微力ですが出来ることを行っていきたいと考えております。このため、良質なキハダを育て、生薬原料として収穫するのみならず、植樹する森が、生物多様性保全、水源涵養、土砂災害防止など、森林の多面的機能の発揮を同時に実現することも目指したいと考えております。

 次に、鳥居峠は最近トレッキングコースとして人気で、国内外から多くの方々が訪れていることです。折角植樹するのであれば、皆様をお迎えする美林でありたいと考えました。春は美しい花を、夏は青々とした新緑を、秋は彩り豊かな紅葉を楽しんでいただけるような樹種が良いと考え、ヤマザクラ、イロハモミジ、エゴノキ、エンジュを選びました。

百草の森の場所と目印

 百草の森はどこにあるのでしょうか?百草の森は、鳥居峠のふもと、藪原口(木祖村)に所在しています。鳥居峠は中山道の薮原宿と奈良井宿の間を結びます。藪原口から登り始めるとすぐ、原町稲荷社の赤い鳥居と、石畳が見えてきます。原町稲荷社の向かい側、石畳のすぐ手前に「百草の森」があります。Google Mapでも検索いただけます。

  

 「百草の森」と書いた標柱と、その横の2台の木製ベンチが目印です。

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百草の森を訪れてくださる方へ

 2024年に植樹した「百草の森」は、まだまだ若い森で、始まりの段階にあります。どの木々もまだ小さな幼樹です。是非ご一緒に、そして大切に成長をお見守りいただけましたら幸いです。

 おすすめの過ごし方を3つご紹介します。

  

●ベンチを利用いただく

木製ベンチは、鳥居峠を登り始められる方が、服装や靴ひもを整え、水分を摂る等の際にご利用いただけるように、また、下りて来られた方がゆっくりとご休憩いただけるようにと考え、設置しました。是非ご自由にご利用いただけましたら幸いです。

  

●周囲を見回す

百草の森から、鳥居峠の豊かな植生をご覧いただけます。季節折々の草花や木々の様子をお楽しみいただけましたらと思います。

  

●様々な樹種を観察する

お時間のある方、ご関心のある方は、キハダをはじめとする様々な樹種を観察いただければと思います。

  

 上記のことをされなくとも、鳥居峠をこれから登られる方は百草の森をご覧になり、よし頑張ろう、のお気持ちで登っていただきたい、そして下って来られる方々を木々によって温かくお迎えし、ほっと一息していただき、良き思い出とともにお見送りしたい、と心から願っております。緑の間を清々しい風が通る、爽やかな季節が訪れています。是非、鳥居峠へお出かけいただきました際には、百草の森にも足を止められてください。

   

写真:2026年5月29日 日野製薬社員撮影

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