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薬草の花

ノブドウ(野葡萄)【6月】

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※ノブドウ(野葡萄)の花期は7月~8月
ビーズのような実、根は煎じて

(写真①:夏、直径3ミリほどの小さな花を多数つける

秋の山野で見かけるノブドウの実は、多色のビーズを振りまいたようにカラフルである。それぞれの液果の色彩は成熟の度合いによって緑、青、紫色、赤と異なり、さらにブドウタマバエなどの幼虫の寄生で肥大した実があり、色も大きさも多彩である。ちょっと食欲をそそられ、一粒つまんで口に含んでみた。一般的な解説では、タンニンを多量に含むため渋いとされているが、渋くはなく、むしろ、ほんのりとした甘みがあった。ブドウと同じような硬くて大きい核(種子)があったが、甘味はそれほどではなく、ブドウの代用にはなりえないことが分かった。

夏に目立たない小さな花を咲かせ、遠目にはごく地味である。どう見ても、虫たちの目に留まるようにも思えないが、近接撮影すると五枚の花弁をしっかり開き、虫が誘われるのもうなずける。

野葡萄2

(写真②:実(腋果)は色も大きさもさまざまで美しい)

ノブドウは漢方、及び民間薬としてはあまり利用されないが、関節炎に乾燥した根茎を煎じて飲み、目の充血に薄めた液で洗眼する。ノブドウの根にはオキシスチルペン誘導体や各種フラボノイド類が含まれており、薬効もこれに由来するものと思われる。

ブドウ科は、ツタ属、ブドウ属、ノブドウ属、ヤブガラシ属に分かれる。ノブドウの形態はブドウ属よりヤブガラシ属に近い。ところで、ヤブガラシはノブドウと同様に私たちの身近にある植物である。広範囲に根を広げてところかまわず芽を出し、太いつる・・を長々と伸ばす厄介者だが、近付けば花はブドウと同じように可憐であった。そして、ヤブガラシは春の山菜としても食べられる。

Ampelopsis brevipedunculata var. heterophylla ブドウ科ノブドウ属 別名●ザトウエビ、イシブドウ

【ミニ図鑑】ブドウのつるは、節の下の茎が変形したもの、先端に向かって延びるのは枝

花期 7月~8月

野葡萄3

(写真③:同科異属のヤブガラシの花。その名のごとくよく繁殖する)


出典:「信州・薬草の花」(クリエイティブセンター)
市川董一郎(文)栗田貞多男(写真)


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