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薬食同次元

食べることは生きること

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日差しが徐々に明るさと温かさを増し、春の兆しを感じる今日この頃です。

先日、日野百草本舗 奈良井店では、「花と休息の宿wakamatsu」のオーナーシェフでいらっしゃる山本舞さんにお越しいただき「春の養生ランチ」をご提供いただきました。五行思想等に基づき、春に向けて身体を労わるポイントや食材をご紹介いただき、その後ご提供いただいたランチは旬の野菜、山菜や果物をふんだんに用いた精進料理でした。一口ずつ口に入れるたびに山本さんの温かなお心、食材一つ一つを大切に活かそうとする思いや、お客様においしいものを食べていただきたいとの真っ直ぐなお気持ちが伝わってくるようで感動しました。心を込めて丁寧に作られた料理は、食べる人の心も温かく、豊かにすることを実感しました。

精進料理とは

精進料理は、仏教の教えに基づき今に伝わる日本料理の一つです。曹洞宗の高祖道元禅師が鎌倉時代に精進料理の基礎を築いたとされています。肉や魚、卵などを使わず、季節の旬の野菜、豆類、きのこ、海藻、果物などを用います。またにおいや刺激の強いにんにく、ねぎ、にら、たまねぎ、らっきょうなどを五葷(ごくん)と呼び、使用を控えます。 日常生活の全てが修行であると教えた道元禅師は、坐禅や作務(掃除)と同様に、料理を作ることも、食べることも修行であると説きました。野菜や豆類も含むありとあらゆるものに命があり、その命をいただくことで、自らの命をつなぐことへ感謝しながら料理を作り、食べることが大切であると教えています。

精進料理は、陰陽五行説に基づく「五味五色五法五適五感」の考え方によって調理されます。

  五味は、「甘・酸・辛・苦・かん(塩辛い)」の五つの味

  五色は、「青・赤・黄・白・黒」の五つの色

  五法は、「生・煮る・焼く・揚げる・蒸す」の五つの方法

  五適は、「適温・適材・適量・適技・摘心」の五つの適

  五感は、「視覚・聴覚・味覚・臭覚・触覚」の五つの感覚

を示します。食材を無駄なく使い、その本来の良さを引き出し、味、見た目、温度や量、食感も良く、心を込めて調理することが、食べること、ひいては生きることへの喜びと感謝につながることを教えています。

大久保醸造店様への訪問

 先日の暖かな日、長野県松本市里山辺の大久保醸造店様を訪問させていただきました。大久保醸造店様は、創業明治38年、国産の原料を用いて、昔ながらの自然を生かした手作業による製法で醤油や味噌づくりをされる名店です。久しぶりにお目にかかりました会長の大久保文靖様は、以前と変わらずお元気で、心に残るお話を沢山してくださいました。

  

 「日々の料理こそ 明日への命 味は心で 五味調和」

  

これは大久保醸造店様のパンフレットにも書かれている言葉です。命を育む毎日の食事をおろそかにしてはならない、10年後20年後の自分をつくるのは今食べているもの、食べることは生きることはだからとお話してくださいました。そしてこの時に、心を込めて「滋味」を大切にすることも大事とお話いただきました。滋味とは何でしょうか?とお尋ねすると「滋味は本質をもったうまさ」とすぱっとお答えくださいました。あとから色々加えたものではなく、そのものからにじみ出てくるおいしさということです。精進料理の教えにつながる考え方であると感じました。また

  

 「快便、快食、快眠が大事だよ」

  

とのお言葉もいただきました。「快食、快便、快眠ではない、快便、快食、快眠だよ」とのこと。お茶も、湯飲みが空でなければ、次を注ぐことができない。便が一番大切、身体を空にしてはじめて、よく食べ、よく眠れるのだ、ということです。弊社でも日頃からのお客様応対で、便通を整えることの実感しています。本質的なことを分かりやすいお言葉で示してくださったことに感激しました。

   

そして最後に

 「手をつかないで大いに尽くす。品質で負けないものをつくる。」

  

とのお話もしていただきました。醤油や味噌づくりに一切の妥協はなく、自然のものに畏敬の念を持ち、真っ直ぐ向き合い、その本質的な良さを引き出すために、手作業や時間のかかる作業もいとわず、毎日毎日の製造を行ってこられた大久保様のものづくりへの考え方の一部に触れたような気がしました。そして大いに力をいただいて帰ってきました。

終わりに

 自然のものを大切にし、そのまま良さを活かすため、心を込めて人の手を加えることが、それを口にする方々の命、そして自らの命を大切にすることにつながる。これは弊社の伝統薬づくりにもつながる大事な考え方です。「薬食同源」という言葉がありますが、まさに根底に流れるものが同じであることを示していると思います。弊社でも改めてこのことを社員の間で共有しながら、ものづくりに励んでいきたいと強く感じました。

  

 最後になりますが、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックの感動も冷めやらぬ今日この頃です。選手の皆様が自分の心身をかけて競技に打ち込み、オリンピックの大舞台で躍動し、自分の力、やってきたことを信じて高みを目指す様子、そして無事競技を終えた後に感謝を述べる姿に、大きな感動をいただきました。生きることの喜びも苦しみも全て含め大切にすることが、まさに命の輝き、与えられた命を活かすことにつながると選手の皆様から教えていただきました。様々なことに感謝しながら、春を迎えていきたいと思います。

  

日野製薬株式会社

代表取締役社長 石黒和佳子

  

出典:

曹洞宗 大本山總持寺「精進料理」
SHUNGATE 「命と向き合う「精進料理」」
農林水産省 「日本料理に大切な五法・五味・五色・五感」


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