薬食同次元

五味五色五法の料理

中国料理・韓国料理・日本料理は、源に古代中国の「陰陽五行思想」があります。

季節の食材を、五つの味(五味)、五つの色(五色)、五つの調理法(五法)によって、彩りよく美味しくなるように上手に組み合わせて作り、それを食べることで「自然に健康が保てる」「元気になれる」というものです。

「古代中国の陰陽五行思想」

「陰陽五行思想」は、森羅万象を「陰陽」の二要素と「五行」の五要素に分け、それぞれの組み合わせによって事象を解釈する考え方です。

自然界のあらゆるものを陰と陽に分け、太陽は陽で月は陰、奇数が陽で偶数が陰、表が陽で裏が陰という具合です。こうした思想を「陰陽思想」といい、この陰陽思想が五行(木・火・土・金・水)と結びつき、「陰陽五行思想」が生まれました。「五行思想」では、自然界は(木・火・土・金・水)の五つの要素で成り立っており、季節は(春・夏・土用・秋・冬)の「五時」、人の内臓は(肝・心・脾・肺・腎)の「五臓」、人の感覚は(目・耳・鼻・口・皮膚)の「五感」、方角は(東・南・中央・西・北)の「五方」というようにあらゆるものが「五行」に当てはめられて考えられています。この五つの要素が循環することによって万物が生成され自然界が構成されると考えたのです。

「五味五色五法の料理」

五味は、「甘・酸・辛・苦・かん(塩辛い)」

五色は、「青・赤・黄・白・黒」

五法は、「生、煮る、焼く、揚げる、蒸す」

この「五味五色五法」を意識して調理することで、見た目も味も栄養面でもバランスのとれた健康によい料理が出来ると考え実践されてきました。

中国料理では「薬膳」がまさにこれに当たります。不老長寿を願い健康的な日々を送るために「天然の食材を上手に組み合わせて調理しいただくのが大切である」との考え方に基づき調理されます。

韓国料理のキムチ、ナムル、ビビンバは、一皿で「五味五色」をいただくことができる優れた料理です。韓国の五色の基本は、(青(緑):緑野菜、赤:唐辛子、黄:卵黄、白:卵白、黒:海苔)ですが、その他の食材も使って色合いを考え、バランスよく組み合わせて五つの味で調味するのです。

日本料理は食材の色や味だけでなく、お膳や器などの取り合わせまでも含めて「目でも味わう」ことのできる美意識で磨かれた料理です。中国伝来の「陰陽五行思想」が日本の風土と相まって独自に発展し、日本の食文化が形成されてきたのです。

日本料理の専門家でなくても、私たちは日頃から「五目ごはん」「五目すし」「五目そば」と「五目」と名の付く料理を家庭で作り食べています。「五行思想」が日本人の私たちの食生活に浸透し根付いていることの現れと思います。

もうすぐ、桃の節句。女児の健やかな成長と幸せを願う「ひな祭り」がやってきます。

今年も「五目すし」を作り、その彩りを目でも味わいたいと思っています。

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