薬食同次元
野菜の持ち味を活かす
明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、昨年12月には"食物繊維を摂る"と題して、私の朝食の見直し献立を紹介させていただきましたが、今回は"野菜の持ち味を活かす"と題して、「こうしたら野菜の持ち味を活かして養分もたっぷりおいしく食べられるのではないか」と、料理本を参考にしながら調理した野菜料理を、誠にお粗末ですが、紹介させていただきます。
右と下に掲載した野菜(大豆、里芋、人参)は、昨年11月上旬に木祖村小木曽の農産物直売所「愛菜(あいさい)」で購入したものです。大豆は台所の棚の中に保存しておいたのですが、里芋と人参は出来るだけ野菜の風味を損なわないように新聞紙にくるんで路地に保存しておいたものです。
里芋のゆずみそ煮
映画『土を喰う十二か月』は、水上勉の名著「土を喰う日々―わが精進十二か月-」を映画化したものですが、この映画の主人公のツトムが里芋の一番おいしい食べ方について「里芋はゴロゴロと水桶の中で回転させて土を落としながら皮をむくが、最後の薄皮を残して囲炉裏で焼いて皮ごと食べるのがうまい」と語っていました。きっとおいしいに違いなく、食べてみたいと思ってはいるのですが、今回は、やはり、普通に洗って、皮をむき、米のとぎ汁で下茹でをして、ぬめりを落とし、その里芋をだし汁で煮て、白みそ、しょうゆ、みりんで味付けをして、最後にゆずの皮の細切りを散らしました。
大豆とカリフラワーのワインビネガーサラダ
大豆はサラダに重宝な食材です。大豆を煮るのはとても簡単で、大豆を洗ってたっぷりの水に一晩つけて、翌朝中火~弱火で適度なやわらかさになるまで煮るだけです。大豆は砂糖醤油で煮て食べることが多いのですが、塩分と糖分が気になります。まろやかな味わいの大豆にはワインビネガー、ハチミツ、塩、玉ねぎのすりおろし、黒コショウを加えてオリーブオイルをたらして味をととのえるのがよいと思っています。今回は、それにカリフラワーとセロリとディルを加えました。
人参のかき揚げ
人参には特有の臭いと苦味があり、苦手なお子様が多いのですが、油で揚げることでその特有のくせが和らぎ、人参本来の甘味が引き立って美味しくなります。人参のかき揚げは、皮つきのまま細切りにして衣をまぶして約170℃の揚げ油にすべり落とすようにして揚げます。特に秋に収穫した人参は甘味が際立ち、人参嫌いが克服できるように思います。
お正月には「おせち料理」を作り、お供えをして、お祝いをしますが、お煮しめ、なます、黒豆、栗きんとんなどには多くの野菜が用いられます。それぞれの野菜にはそれぞれの養分がつまっており、この"野菜の持ち味を活かす"ことが、すなわち、美味しい料理になるように思います。
自然からの贈り物であるある野菜をできるだけ丸ごと丁寧に調理することを心がけたいと思っています。
皆様におかれましては、本年も良いお年でありますよう、お祈りいたしております。