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薬草の花

ヨモギ(蓬)【1月】

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※ヨモギ(蓬)は八~九月に花を咲かせます。

山菜・薬用・もぐさの原料にも
(写真①:葉には深い切れ込みが入る。夏の後半、茎の先端に淡褐色の小花を多数つける)

どこにもありふれた植物である。かなり丈が高くなり、しかもはびこるので雑草として嫌われるが、利用価値が多いので、屋敷のまわりにはいつでも見かける。春、芽生えたばかりの茎葉は餅菓子の原料になる。軽く蒸かしてすり鉢ですり下ろしたヨモギは、草餅にするとキク科独特の香りがする。ヨモギの葉を乾燥させて揉むと白っほい繊維だけが残り、それはモグサと呼ばれる。以前はこれに火をつけてお灸に使われた。そして、端午(たんご)の節句には、ショウブと一緒に束ねて菖蒲湯(しょうぶゆ)に使われる。どちらの使い方も強い香気があるために魔除け、病除けの意味があったのだろう。

ヨモギは地中に地下茎を広く伸ばし、旺盛に繁殖するため、「よく萌えでる草」つまり「善萌草(よもぎ)」の意味で名付けられたとされる。そして、モグサは「燃草」だろうか「揉草」でも「餅草」でも意味か通じる。


葉を「艾葉(がいよう)」と呼び、漢方で、消炎、収れん、止血、止瀉薬などとして、煎液を腹痛、下痢、下血などに使う。濃厚な煎液は布にしみこませて冷湿布し、湿疹、あせもに用いる。成分は精油成分のシネオールなどのほかに、数種類のセスキテルペノイドが含まれるが有効成分は明らかではない。有用なヨモギだが、この仲間は花粉症の原因にもなりうる。風媒花であり、人によってアレルギー性鼻炎や結膜炎をおこすことがある。



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(写真②:夏の初め、葉を採取して日干しする)


ヨモギ属は県内でも十七種生育し、ヨモギのほかにカワラヨモキ、イヌヨモギ、オトコヨモギなどが一般的である。そして、高山にはタカネヨモギやキタダケヨモギが生える。



Artemisia princeps
キク科ヨモギ属
別 名●モチグサ、サシモグサ
生薬名●艾葉(がいよう)
【ミニ図鑑】草地や道ばたなど、どこにでも繁殖する、いわば雑草の代表
▶花期 八~九月

crude_drug_230101_yomogi_3.jpg(写真③:薬用にもなる同属のカワラヨモギ。葉は細長く河原によく生える)


出典:「信州・薬草の花」(クリエイティブセンター)
市川董一郎(文)栗田貞多男(写真)


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