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薬草の花

ノリウツギ(糊空木)【7月】

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※ノリウツギ(糊空木)の花期は7月~8月
白一色、夏空にくっきりと

(写真①:高さが2〜3メートル。空に向かうようにおおきな円錐花序をつける

初夏の山で、アジサイによく似た白い花が咲いていた。近づいてみればノリウツギが花の盛りを迎えていた。人の背丈ほどの灌木で、幅広の葉と純白の集合花序は遠目にもよく目立つ。ただ白いだけのなんの面白みもない花だが、不思議と目を引く花である。

「何々ウツギ」とつく植物は多いが、すべてが同じ仲間という訳ではない。幹や茎の中心がうつであることからこう名付けられた。そのような訳で、ウツギやノリウツギはユキノシタ科だが、ニシキギ科やバラ科、フジウツギ科にも「.・・・ウツギ」とつけられた樹木がある。

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(写真②:樹皮は和紙づくりの重要な材料となる)


ノリウツギの「ノリ」は、「糊」である。樹皮に多量の粘液質を含むため、水に浸すとノリ状の粘液がえられる。和紙はコウゾやミツマタの樹皮の繊維に、トロロアオイの根とノリウツギの粘液を混ぜ合わせてく。粘液は繊維を均一に分散させ、乾燥したときに固着するために使われる。

県内では、下高井郡木島平村の内山地区で「内山紙」を作るためにノリウツギが栽培された。さらに不足分は山採りされたという。北信地方の山野にはノリウツギは多い。

花は「粉団花ふんだんか」、根は「粉団根ふんだんかこん」と呼んで、中国では花の煎じ液をインキン、タムシに、また根はマラリアの治療、のどの潰瘍治療に用いるという。成分は不明だが、粘液は多糖類ではないかと思われる。

Hydrangea paniculata ユキノシタ科アジサイ属 別名●ノリノキ、サビタ

【ミニ図鑑】県内の山野にはノリウツギに先立って同じ科のタニウツギが淡紅色の美しい花を咲かせるが、薬用にはならない

花期 7月~8月

83-C.jpg(写真③:6月ころに咲く同科のタニウツギ)


出典:「信州・薬草の花」(クリエイティブセンター)
市川董一郎(文)栗田貞多男(写真)


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