生薬の話
夏バテ ー経験のない夏の暑さ対策ー
若葉がグングン生長し、新緑が輝きを増しています。
もうすぐ夏がやってきます。
今回は、新型コロナウイルスの感染予防と合わせた夏の暑さ対策についてお話いたします。
近年は、どの地域も昔よりずっと暑くなっており、「夏でも寒いヨイヨイヨイ~」と木曽節に謡われてきた木曽地域も例外ではありません。上手な夏の過ごし方やセルフケアーを知ることで健康的に夏を乗り越えたいと思います。
夏バテ
夏バテとは、「夏の暑さや多湿により身体が衰えた状態」を指す用語で、暑気あたり、暑さ負け、夏負け などとも言われます。
夏バテの語源
諸説あるようですが、一つには競走馬が走り疲れて足がもつれる競馬用語「ばたばたになる」が縮まって「ばてる」になった、もう一つは「疲れ果てる」の「はてる」が転じて「ばてる」になったというもの。夏バテという言葉が使われるようになったのは昭和30年代の高度成長の頃。一方、暑気あたりや夏負けは"夏の季語"として古くから用いられてきた言葉です。
症状
現れ方は様々ですが、倦怠感や疲労感、食欲不振、入眠困難や気力の低下、頭痛、めまい などがあげられます。
原因
何と言っても"暑さ"そのものが原因となります。その暑さから引き起こされる下記の要因が組み合わされて夏バテになると考えられています。
- 自律神経の乱れ
自律神経は、自分の意志ではコントロールできない内臓器官の働きを調節する神経で、体温調整も担っています。猛暑の屋外からエアコンで冷えた室内に戻るなどの急激な温度差が繰り返されると、自律神経に負担がかかり、この自律神経の乱れが不調を引き起こします。 - 水分不足
夏は体温を下げるために汗を多くかき、脱水症になることがあります。脱水症では、血液の量が不足し、心臓や腎臓に負担がかかり、細胞に栄養素がいきわたらなくなり、身体の動きを鈍くさせます。脱水症を放っておくと熱中症に移行する恐れもあり危険な状態となります。脱水症とは?
生命を維持するのに欠かせないのが水分と塩分(電解質)ですが、脱水症は、この体内の水分と電解質が失われた状態で、軽度ではめまいやふらつき、中度では頭痛や悪心、高度では意識障害や痙攣が起きます。 特に高齢者の脱水症状に要注意です。
熱中症とは?
高温の場所でおこる熱による障害を総称して熱中症と言います。暑さで体温のコントロールができなくなり、熱が体内にこもってしまった状態で、Ⅰ度(現場での応急処置で対応できる)では立ちくらみやこむら返り、Ⅱ度(病院へ搬送を要する中程度)では頭痛や気分不快や吐き気や倦怠感、Ⅲ度(入院して集中治療を要する重症)では意識障害や痙攣や高体温(締め切った部屋や車の中の場合は熱射病、強い直射日光の場合は日射病)となります。屋外だけでなく室内でも発生しますので要注意です。
- 睡眠の質・量の低下
夜間も温度が下がりにくい現代では、熱帯夜が続き、眠りが浅くなり、睡眠不足に陥ることがあります。必要な睡眠がとれないことで心身の疲労が蓄積し不調を引き起こします。 - 胃腸の冷え
冷たい物を多く摂取すると胃腸が冷えて消化機能が低下してしまいます。消化機能の低下はさらなる食欲不振を招き、下痢をしたり、栄養不足の状態になります。
夏バテ撃退と予防法
- 空調管理・体温管理
空調の調整を心がけましょう。冷風に直接当たらない工夫もよいでしょう。 - 食 事
タンパク質、ビタミン、ミネラル類を豊富に含んだ食事をきちんと摂りましょう。 - 水分補給
発汗は水分だけでなく塩分(電解質)も同時に失ってしまいます。脱水症予防が熱中症予防につながりますので、水分補給を心がけましょう。 屋外でのマスク着用の際には、こまめに水分を補給し、うちわや扇子を携帯し、折にふれてあおぐのも効果的と思われます。 - 休 養
睡眠の質は眠り初めの3時間にぐっすり眠れているかに左右されるようです。寝室を快適にして入眠をサポートしましょう。夏場でもぬるめの湯船につかり体を温めましょう。 - 適度な運動
適度な運動を取り入れることで血行がよくなり、運動で上手に汗をかくことで体温調節もスムーズにできるようになります。
夏バテや夏バテ予防に 日野百草丸 や 普導丸 は適しているのですね。
はい。その通りです。夏バテまたは夏バテを感じた時のセルフケアーには、生薬配合の日野百草丸や普導丸が適しています。
食欲不振や消化不良などの胃腸機能低下の時には、日野百草丸をおすすめします。
めまいや気力の減退を感じた時には、普導丸をおすすめします。
普導丸には、血流を促したり、胃腸の機能を整えたり、気を巡らしてくれる生薬が配合されています。
冷たい飲み物やエアコンで体が冷えたり、元来冷え性で元気がでないと感じた時には、普導丸を白湯と一緒に服用してみてください。
少し経つと倦怠感が和らいでいることに気付きます。
日野百草丸・普導丸は、夏バテまたは夏バテ予防に適した生薬製剤です。
熱中症予防声がけプロジェクト
さて、今年の夏は新型コロナウイルスの感染予防と合わせて暑さ対策を講じなければなりません。
皆と一緒に唱える合言葉があればとネットを検索しましたら、『熱中症予防声がけプロジェクト』『熱中症予防5つの声がけ』がありました。
"保健指導のあり方地域における取組:環境省熱中症予防情報サイト" に掲載されています。『日本の夏に、ひと涼みを』と。
皆さま、これから迎える夏を元気に過ごしましょう。
参考:ネット保健指導のあり方地域における取組:環境省熱中症予防情報サイト
ネット京浜保健だより:京浜保健衛生協会
ネット全日本病院協会
ネット厚生労働省熱中症関連情報