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生薬の話

「機能性ディスペプシア」と日野百草丸

木祖村 桜

数日前から、桜の花の蕾がふくらみはじめ、「こちらを見てね」と語りかけられているような、そんな気配を感じておりましたが、4月25日、見事に満開になりました。春の訪れの遅い当地では、桜と同時に、水仙も、タンポポも、雪柳も、レンギョウも、チュウリップも一斉に花開きます。けなげに季節を忘れず咲く花に、思わず足を止めて見入ってしまいます。
 

さて、今回は、検査をしても異常がないのに、「胃もたれ」「胸やけ」「膨満感」「不快感」が慢性的に続く、機能性ディスペプシア(functional dyspepsia:FD)について探ってみます。

日野製薬 春の花ディスペプシアの語源

ディスペプシアは、解釈には諸説あるようですが、ギリシャ語の、dys(bad=悪い)+peptein(digestion=消化)、すなわち、胃や十二指腸に関連した「消化不良」を意味するとされています。

聞き慣れない病名の機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシアは、胃もたれ、胸やけ、膨満感、胃痛などの症状が続いているにもかかわらず、採血検査や内視鏡検査をしてもその原因となるような異常が特定できない病気で、「機能性胃腸症」とも呼ばれます。多くの人が罹る病気で、従来は、「神経性胃炎」「胃下垂」「胃弱」などと呼ばれていました。
機能性ディスペプシアは、近年になって、「症状の原因となる器質的、全身的、代謝性疾患がないにもかかわらず慢性的に心窩部痛(しんかぶ:みぞおち)や胃もたれなどの心窩部を中心とする腹部症状を呈する疾患」と定義され、胃や十二指腸から生じる様々な症状を表す言葉として用いられています。

原因

機能性ディスペプシアは、いくつかの要因が絡み合って症状を呈し、原因も明らかではないのですが、精神的ストレスや睡眠不足・過労などによる身体的ストレスが引き金になって、胃の拡張機能や収縮機能が低下したり、胃・十二指腸の知覚過敏が生じたりすることが原因と考えられています。

  1. 胃の運動機能低下
    口から摂取した飲食物は胃に送られます。胃は食べ物をためるために緊張をゆるめてふくらみ、ぜん動運動によって十二指腸へと食物を送り出します。食べ物をためる機能は適応性弛緩、十二指腸へ送り出す機能は胃排出能といいます。これらの機能が何らかの原因で低下すると、「胃もたれ」や「膨満感」などを引き起こします。
     
  2. 胃・十二指腸の知覚過敏
    ストレスなどで脳の働きが過剰になったときは胃の知覚過敏が起こることがあります。少量の食べ物でも胃酸が多く出過ぎて刺激を感じてしまいます。また、飲食物にも敏感な反応をし、すぐにお腹がいっぱいになり、炎症が起きやすい状態になります。炎症をくり返すと胃の粘膜が弱くなり、さらに知覚過敏が進行し、機能低下の悪循環を繰り返します。胃酸の分泌が過剰になると十二指腸に胃酸が流れ込み、胃の運動機能を低下させ、「痛み」や「胸やけ」を引き起こします。

症状

人によって様々ですが、以下のようなタイプがあり、多くの場合、両方が混在しています。

  1. 食後におこるもたれ感タイプ
    胃もたれ・早期満腹感
  2. 胸から上腹部に痛みを感じるタイプ
    心窩部(みぞおち)の痛み・みぞおちの焼けるような感覚で食事の有無にかかわらず現れる
  3. 1と2 の混在タイプ

検査・診断

胃に潰瘍やガンなどがないことや胃周囲に病気がないことを確認するため、内視鏡検査(胃カメラ)、超音波検査、血液検査などを行います。この検査によって特別な病気が見当たらないにもかかわらず、胃または胃周囲に不快な症状が続き、苦痛や生活の質の低下が認められるときに、機能性ディスペプシアと診断されます。

治療

主に薬物療法と生活指導があげられます。  

【薬物療法】

症状に合わせて薬剤を選択し治療します。

  1. 食後のもたれ感や早期満腹感が主な症状であるケースでは、胃の動きを促す薬(漢方薬、生薬製剤を含む)を用いて治療します。
  2. 心窩部痛や心窩部の灼熱感が主な症状であるケースでは、胃酸の分泌を抑える酸分泌抑制薬を第一選択として使用します。
  3. 1と2が入り混じった症状の場合は、個々の患者さんに合わせて治療薬を選択し、ときにいくつかの種類の薬を併用します。
  4. 不安やうつなどが原因と考えられる場合は、、抗不安薬や抗うつ薬を用いることもあります。また、検査によって症状の原因がわかることで不安が解消され、症状が改善されることもあります。

【生活習慣の改善】

規則正しい生活、消化にいいものを選んで食べる、よく噛んでゆっくり食べる、睡眠をとるなど生活習慣の見直しやストレスコントロールなどが根本治療につながります。

日野百草丸は、機能性ディスペプシアに効果的な薬なのですね。

そうです。「食後に胃がもたれる」「少量食べるだけでお腹が張る」「胃にものがつかえる感じがする」「吐き気がする」「胸焼けがする」といった機能性ディスペプシアの症状に効果を発揮するのが日野百草丸です。ひとつの言葉で表せない多様でデリケートな胃の症状を、全体的に和らげ、改善に導くのが日野百草丸なのです。心窩部痛や心窩部の灼熱感に対しては、処方薬を服用し、症状を抑え、その後、日野百草丸を補助的にご使用ください。加齢による「胃もたれ」「胸やけ」「胃部・腹部膨満感」でお困りの方にも天然の薬物でできた日野百草丸は適しています。ゆっくりじっくり胃腸の機能を元に戻してくれます。

日野百草丸、検査を受けて重大な病気が潜んでいないことを確認し、服用していただきたく思います。

七つの生薬

日野百草丸は、機能性ディスペプシアに効果を発揮する生薬製剤です。

 


【参考】 OTC薬販売の実践問題集(じほう社)
ネット:メディカルノート(機能性ディスペプシア)、日本赤十字社姫路病院(機能性胃腸症)、ウイキペディア(機能性胃腸症)


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