>>会員登録いただくと生薬ブログ最新情報をメルマガにてお届けします!メルマガ登録で更に300ポイントプレゼント!

生薬の話

養生について

crude_drug_kihada_250930.jpg

猛暑の日々もひと段落し、秋の風が心地よい季節となりました。弊社は10月から新たな期が始まります。前期も多くの皆様に大変お世話になりましたこと、心より御礼申し上げます。今期もお客様のご健康長寿に寄与する良質な製品とサービスのご提供を目指し、社員一同励んでまいります。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

  

さて、季節の変わり目に、風邪をひいたり、体調の不調を感じる方もいらっしゃいます。このような時に大切なのは「養生」です。では、養生とは何でしょうか?

養生とは

養生とは「食事、運動、休息など、生活に留意して、健康の維持、病気の予防、または病後の保養につとめること」を示します。養生は、中国戦国時代(前400~200年頃)の思想書である「荘子」にも書かれている言葉です。病気に罹患すると、薬の服用や手術などによる治療が必要となります。生活習慣や行動によって、未病の段階で病気を未然に防ぎ、健康を維持すること、また治療後の快復につとめることは、古くから東洋医学において大切にされてきた考え方です。近年では健康寿命の延伸のため注目される考え方でもあります。

養生訓を読む

江戸時代の儒学者であり、医師でもある貝原益軒(かいばらえきけん)は、「養生訓」を書き記しました。当時ベストセラーになったとされる養生訓には、現代にそのまま適用される考え方や具体的に取るべき日常の行動が書かれています。養生訓は、全八巻で構成されています。

  

 ・巻第一 総論上

 ・巻第二 総論下

 ・巻第三 飲食上

 ・巻第四 飲食下

 ・巻第五 五官

 ・巻第六 慎病

 ・巻第七 用薬

 ・巻第八 養老

  

いくつかの巻から、例を挙げてみます。

  

●巻第一 総論上

人の身は父母を本とし、天地を初とす。天地父母のめぐみをうけて生れ、又養はれたるわが身なれば、わが私の物にあらず。天地のみたまもの、父母の残せる身なれば、つつしんでよく養ひて、そこなひやぶらず、天然を長くたもつべし。

(現代語訳:自分の身体は自分だけのものではなく、父母が授けてくれたものであり、不摂生をして身体を傷めつけることはしてはいけない。養生を学び、健康を保つことが大切である。欲のままに生活するのではなく、生まれてきたことに感謝をし、日々慎ましやかに楽しく生活することが長生きにつながる)

  

●巻第三 飲食上

凡ての食、淡泊なる物を好むべし。肥濃・油にの物多く食ふべからず。

(現代語訳:食事は薄味にし、濃い味のものや脂っこいものは食べ過ぎない)

珍美の食に対すとも、八九分にしてやむべし。

(現代語訳:珍しくて美味しい食事でも、八、九分目でやめること)

  

●巻第六 慎病

病なき時、かねてつつしめば病なし。

(現代語訳:健康な時から、慎ましやかに暮らせば、病を招かない)

  

●巻第七 用服

養生の道はあれど、むまれ付かざるいのちを、長くする薬はなし。~生れ付たる天然をたもつべし。

(現代語訳:養生の道はあっても、長生きの薬はない。~生まれ持った寿命を全うすべきである)

  

いずれもその通りと思うことばかりです。

養生は健康長寿の要

養生は、健康、及び、未病の間のセルフケアの考え方と手段を示しています。荘子、養生訓のいずれにおいても、養生の根底に流れるのは、自然の摂理に従って生き、過度な欲を満たすことなく、何事にも節度を持ち、心と身体の健康を保ち、与えられた生を全うする精神であると思います。自然の恵みや与えられた命に感謝し、季節の巡りに合わせて日々の暮らしを整え、自らの心身を手当てしながら、明るく楽しく慎ましやかに生きることを勧める「養生」には、自分らしく生きるために大切なヒントが様々含まれていると思います。現代において重要視される持続可能な開発、循環型社会の形成にもつながる考え方でもあると思います。更にオムロン様株式会社様のSINIC理論では、今年から「自律社会」が始まると予測されています。養生は自律社会において求められる考え方でもあると思います。

  

弊社の経営理念に「健康長寿に寄与する良質な製品とサービスを提供する」があります。弊社ではこれまで、百草、百草丸をはじめとする生薬製剤づくりを通して、多くの皆様のご健康長寿に寄与することを目指し、伝統の技術の継承とより良い薬づくりのための改善に努めてまいりました。このことは社業の根幹にあり、今後も変わらず、社員一同精進してまいります。そして、この薬づくりの基盤の上で、今後新たな発展を遂げていきたいと考えております。具体的には、日常の暮らしの中で、自然の恵みの素晴らしさを五感を使って感じ、衣食住を整え、明るく楽しく健やかに毎日を過ごすためのセルフケアをお手伝いする製品やサービスのご提供を行ってまいります。この実践において「養生」の考え方を取り入れたいと考えております。既にキハダ養生茶の発売や、養生セミナーの開催を予定しております。どうぞお楽しみにしていただけましたら幸いです。

    

新たな期も、多くの方々とご縁をいただき、心を通わせ、より良いものを生み出し育て、皆様の健やかな暮らしのお役に立つ会社でありたいと思います。どうぞ引き続き宜しくお願い申し上げます。

  

出典:

岩波文庫「養生訓・和俗童子訓」 貝原益軒著 石川兼校訂

公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「養生訓」

東京医科大学病院「健康維持につながる養生のポイント」

九州大学学術情報リポジトリ「「荘子」養生主篇をめぐって」

オムロン株式会社「SINIC理論」

crude_drug_gennoshoko_250930.jpg本社に咲くゲンノショウコの花


日野製薬オンラインショップ

>>会員登録いただくと生薬ブログ最新情報をメルマガにてお届けします!メルマガ登録で更に300ポイントプレゼント!