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薬食同次元

腸内フローラ

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ほんの微かに春の気配が感じられるこの頃です。先日、国立科学博物館付属自然教育園(東京都)に行ってきました。その時に撮った「フクジュソウ」「ユキワリイチゲ」「アオキの実」です。(黄:フクジュソウ、青紫:ユキワリイチゲ、赤:アオキの実)

  

「フクジュソウ」「ユキワリイチゲ」は、春を待たずに一年の中で最も寒い二月のこの時季に花をつけるのですが、その理由は「他の花々との競争を避けるため」にあるようです。植物学者の田中修先生の著書『植物のかしこい生き方』によりますと「フクジュソウは春に爛漫と咲く花々に先駆けて花を咲かせることで、ハチやチョウチョなどに花粉を運んでもらう」また「寒さの中にあっても太陽の光を受け、その熱を吸収し、花の中心部の温度を上げ、すると虫たちがその温かさを求めて寄ってきて、それによって虫に花粉を運んでもらう」とあります。  

この花たちはこの花たちでなければできない個性を発揮して、長い長い年月を生き延びてきたようです。なんて健気で賢いのでしょう。

   

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さて、今回は人間の体内で生き続けている「腸内フローラ」について調べてみました。以下は、横浜市立大学医学部 医学教育学主任教授の稲森正彦先生がお書きになられたものの抜粋です。

  

 「腸内フローラ」とは、腸内に生息している細菌のことです。私たちの腸内にはさまざまな細菌が1つの種類ごとに塊を形成して存在しており、その形態がお花畑(フローラ)のように見えることから「腸内フローラ」という名前が付きました。「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」とも呼ばれます。

 私たちの腸内には1,000種類以上もの細菌が約100兆個も生息しており、腸内環境を形成していると考えられています。どの種類の細菌がどのような割合で存在するかは個人差が大きいとされています。

  

 腸内細菌には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3つのタイプがあります。善玉菌としては乳酸菌やビフィズス菌などが挙げられ、腸内を弱酸性にキープするはたらきを持ちます。一方、悪玉菌としてはウェルシュ菌やブドウ球菌などが挙げられ、毒性物質を作り出して腸内をアルカリ性にするはたらきを持ちます。また、日和見菌は善玉菌・悪玉菌の優勢なほうの味方をする性質がある細菌です。そのため、善玉菌が減少すると腸内環境は悪化してさまざまな病気を引き起こす可能性があります。

 腸内の善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランスには個人差があり、高脂肪食やストレスなどの好ましくない生活環境、抗菌薬の内服、加齢などによって変化することが知られています。もっとも理想的なバランスは"善玉菌:悪玉菌:日和見菌"が2:1:7の状態とされています。善玉菌が減少して悪玉菌が増加すると腸内で毒性物質が多く作られるようになり、さまざまな症状や病気を引き起こす原因になります。

  

 腸内フローラのバランスは、消化や吸収、排便など腸の機能の維持に大きく関わっており、悪玉菌が増えると便秘や下痢などのトラブルが起こりやすくなります。  

 また、腸の粘膜は免疫細胞を作り出すはたらきも担っているため、腸内フローラのバランスが乱れるとさまざまな病気を引き起こす原因になると考えられています。現在、腸内フローラの乱れと病気との関係性についてはさまざまな研究が行われていますが、糖尿病、動脈硬化、肥満、クローン病やなどの炎症性腸疾患との関係が指摘されています。また、悪玉菌が作り出す毒性物質には発がん性を持つものもあるため、大腸がんの原因になると考えられています。 

 腸内フローラの乱れによって何らかの症状が現れたときは、腸内フローラのバランスを改善することが大切です。そのためには、善玉菌を増やす必要があります。善玉菌が増えて腸内が弱酸性になると悪玉菌の増殖を抑えることも可能です。

   

 善玉菌を増やすには、善玉菌そのものであるプロバイオティクスを摂取すること、善玉菌を増やす作用のあるプレバイオティクスを摂取することがすすめられています。

 プロバイオティクスは、ヨーグルト、納豆、ぬか漬けなどの発酵食品に多く含まれており、プレバイオティクスはオリゴ糖や食物繊維のことで、野菜や果物などに多く含まれています。

 一方で、食生活などを改善しても下痢や便秘などの不調が改善しない場合は、整腸剤などによる薬物療法が必要になることも少なくありません。

  

 腸内フローラのバランスを整えることは、上述したようなさまざまな病気の予防につながり、免疫力を高めるなど多くのメリットがあります。

 腸内フローラが健康的な状態か否かは便の状態でチェックすることが可能です。便の色が黒っぽく、悪臭がある場合は腸内フローラが乱れている可能性があります。善玉菌を補給したり増やしたりする食材を多く取り入れた食事を心がけ、規則正しい生活を送るようにしましょう。

  

弊社は、2023年2月1日、健康食品の菊芋粒剤である「菊えもん」を新発売いたしました。

   

菊芋には食物繊維がたっぷり含まれています。信州産の菊芋は良質で、味も香りも良いことから、この信州産の菊芋を主原料とし、そこにもう一つの食材として植物油のα-リノレン酸を豊富に含むえごまを組み合わせたのが「菊えもん」です。

添加剤を一切使用していません。お食事の補助として1日9粒を目安に、そのまま噛んでお召し上がりいただくか、水又はぬるま湯でお召し上がりください。

  

皆様、まだまだ寒い日が続きますが、お身体を大切にお過ごしください。

  


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