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薬食同次元

センブリの花が咲きました

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 10月に入り秋の涼しさが一段と増しています。山の木々の色が落ち着き、葉が所々黄色くなり、朝晩はひんやりと寒いくらいです。10月は弊社にとりましては新しい期の始まりです。節目を大切に、これまでの一年を振り返り、今後も皆様のご健康長寿に寄与するより良い製品・サービスのご提供に努めて参る所存です。今後とも引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

センブリの花

 弊社では、昨年の春から「センブリ」の栽培を行っています。センブリは日野百草丸に含まれる七つの生薬の一つで、苦味健胃・整腸薬などに古くから用いられてきました。千回煎じても(振り出しても)苦いことからセンブリと名付たと言われるほど、大変苦い生薬です。

  

 センブリは2年草です。昨年の春に種をまいて、今年の秋が収穫の時です。9月30日に畑に見に行くと、それはそれは、可憐なかわいらしい花が咲いていました。

  

 先のとがった花びらが一つの花に5枚あり、さながら星のような形をしています。花びらには縦に筋が入っていて、表は白、裏はピンク色と白です。表からそのピンクが透けて何ともかわいらしい印象を与えます。花の直径は1.5cm程度、花びらの長さは1cm程度です。地上から茎と花の先までの長さは約25cm~30cm程度でした。根を含めると30cm~35cm程度でしょうか。野に咲く花の楚々とした風情があり、いつまでも鑑賞していたような雰囲気でした。crude_drug_221001_senburi2.JPG

  

 こんなにかわいらしいセンブリに、薬効があること、ましてや強烈な苦みがある、というのはにわかに信じがたいほどです。しかし、センブリは室町時代から民間療法として健胃・腹痛・皮膚寄生虫の駆除に用いられてきました。センブリの生薬名は「当薬(とうやく)」です。大変よく効くため「当(まさ)に薬である」との意味から名付けられたそうです。

  

 また、その苦味は、弊社の百草丸の七つの生薬の中でも、群を抜いています。今年5月に木祖小学校の生徒さんとのキハダ植樹体験学習会で、生薬あてクイズを行ったところ、一番盛り上がったのはセンブリでした。苦い!まずい!うえーといった大きな声、そして笑い声が一番上がりました。

なぜセンブリを栽培するのか?

 ではなぜセンブリの栽培を行っているのでしょうか?弊社では、百草丸に配合する七つの生薬の全てを、いつか自分たちの手で栽培したい、という大きな、大きな夢があります。自然豊かな木曽の地で育った生薬を用いて、多くの方々のご健康のお役に立ちたい、と考えています。夢と呼んでいるのは、中々困難なことと承知しているためです。しかし始めないと先には進みません。七種類の生薬のうちオウバクであるミカン科の落葉高木キハダは毎年植樹を行っています。次にどの生薬が良いか?と考えた時に、木曽の土地になじむものが良いのではないかと思いました。信州は、古くは全国有数のセンブリの産地であり、良質なセンブリが育っていたそうです。それであれば次はセンブリ!と決めて、本社の近くに畑をお借りし、社員皆で栽培に携わっています。

   

 さて、センブリについて公定書である日本薬局方には「本品はセンブリSwertia japonica Makino (Gentianaceae) の開花期の全草である」と定義されています。全草とは根から葉、茎、花までのことです。センブリの全ての部分が薬になります。開花が始まった今この時が、収穫に適した時期です。しかし今年は一部のみ試験のため収穫し、残りは種の採取のため引き続き畑に植えておく予定です。

  

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終わりに

 百草、百草丸づくりを行う弊社では、生薬の生育する様子を知り、愛着を持ち、香り、味、外観など全ての特性について、社員一人一人が熟知することが、良質な薬づくりに欠かせないことと考えています。未来に亘り良い百草丸をつくり、皆様にお届けできますように社員一同研鑽して参りたいと思います。

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出典:第十八改正日本薬局方


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