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薬食同次元

夏山の終わりに

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 9月に入り、めっきり風が涼しくなり、秋の空気を感じる木曽です。御嶽山の夏山も間もなく終わりを迎えます。今年の夏山も多くの方々がお見えになりました。弊社の店舗にお立ち寄りいただきましたこと、また心に残る様々な出会い、出来事がありましたこと、心より御礼申し上げます。9月3日には剣ヶ峰頂上奥社、王滝頂上奥社で閉山祭が行われます。弊社からも社員の代表数名が出席させていただきます。夏山の無事について御礼申し上げたいと考えております。

  

 さて、古くからのお客様とお話させていただくと「大口のおばさん」、「昔日野の店にいたおばさん」の話をしてくださる方がいらっしゃいます。このおばさんとは、創業者日野文平の一番上の姉「大口文恵」のことです。

  

 昔、御嶽山の黒沢口の六合半には「日野製薬直売所」の小屋がありました。夏山の時期には、ここに社員が寝泊まりし、御嶽山に登拝される方々をお迎えし、お休みいただき商品を販売しながら、営業していました。おばさんはここで働いていました。

  

・おばさんはいつも六合半の小屋にいたよ。

・ハチミツ水を出してくれてね。あのハチミツ水は美味しかった。生き返るようだった。

・おばさんは商売が上手でね。おばさんに言われると思わず買ってしまうんだよね。

  

と、皆様が懐かしそうに話してくださいます。六合半の小屋では、ハチミツを御嶽山の清水でとかしたハチミツ水を、お客様にふるまっていました。登拝行に臨まれている方々が、今でも懐かしんでくださる方の多いハチミツ水です。これを考案したのも、おばさんだったそうです。

  

 夏山の時期、山の六合半から里の自宅へ下りて来るのは1、2週間に一度で、あとは山で暮らしていたそうです。当時既に50~60代だったおばさんが、黒沢口の千本松から歩いて45分~1時間の六合半まで登り、寝泊まりしながら働いていたのは、大変なバイタリティだったと思います。どんなに深夜や未明に六合半の前を通っても、必ず物音で起きて、迎えに出て来てくれた、あれはすごかったよ、とお話してくださる方もあります。

  

また、寒山の時期は、三岳の里宮神社近くの直売所で販売をしていました。

  

・おばさんは、おはぎかあんころ餅かを木箱に入れて、バスで来た人たちに売っていたよ。

・赤かぶ漬けとか、自分で作って売っていてね。

・木曽の漬物は、当時は中々買えないし、おいしいから、それを目当てに山に来る人もいた。

・お六櫛を売っている時もあったよ。

  

というお話も伺いました。寒山は新年1月から2月の初めまでの時期です。極寒の中、木曽の郷土の味を準備し、御嶽山へお参りの方々をお迎えしていたそうです。

  

 おばさんがなぜこうして働いていたのか?と考えると、御嶽講の方々をお迎えし温かくおもてなしお見送りする役割を子どもの頃から身につけ、生涯全うしていたのだろうということ、社業の発展を願っていたのだろうということ、そして、やはり生来の性格としてお客様や商売が好きだったのだろう、ということを思います。

 

 今の私どもも昔と同じです。お店が現在の王滝店、里宮店の場所に移動しましたが、御嶽山をお参りする方々をお迎えし、ほっと一息過ごしていただき、お見送りする役割は今も変わっていません。おばさんが亡くなってから既に10年以上の歳月が過ぎています。それでも皆様が懐かしくお話してくださる「おばさん」は、木曽の地にある弊社の社業の本質、おもてなしのあるべき姿を、現代の私どもに伝えてくれているように思います。こうして一つ一つ紡がれてきた日野製薬の歴史、大切なお客様お一人お一人との関係を、必ず未来へつなげていかなくてはならないと気持ちを新たにしています。


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