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生薬の話

ロングセラーの「御嶽山風邪薬」

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 今夏は地元木祖村産の野菜をたくさん食べました。

 朝採りのキュウリ、ナス、トマト、ピーマン、インゲン、ミョウガ、オクラ、トウモロコシの他、アシタバ、モロヘイヤ、白ナス、シマウリなど、普段スーパーでは見かけることのない珍しい野菜も頂いたり購入したりして、ここに暮らしているからこその贅沢を味わうために、丹精込めて栽培された野菜を無駄にしないようにと心がけたのです。お陰様で暑い夏を乗り越えることができたのではないかと思っています。

  

 今回は、今から30年程も前からご愛用頂いているロングセラーの「御嶽山風邪薬」についてお話いたします。

近年は、漢方薬に西洋薬を配合した「御嶽山風邪薬」のような市販薬は珍しくないのですが、平成4年の発売当時は、漢方薬の"葛根湯エキス粉末"に、発熱、頭痛、鼻水、咳などにダイレクトに作用し鎮めてくれる西洋薬を組み合わせた製剤は画期的なものでした。「御嶽山風邪薬」には、"葛根湯エキス粉末"に"エテンザミド""クロルフェニラミンマレイン酸塩""チぺピジンヒベンズ酸塩"が配合されています。

"葛根湯エキス粉末"って?

主成分の"葛根湯エキス粉末"は、風邪の初期の頭痛、発熱、首の後ろのこわばり、悪寒がするが汗が出ないといった場合に有効です。発汗を促すことで熱を下げ、風邪を治そうとします。ちょっと調子が悪いな、このままでは風邪を引いてしまうな、と思われる時に服用すると効果的です。体力がある「実証」タイプの人に向く薬で、体力がなく弱々しい感じの「虚証」タイプの人には不向きと言われています。

"葛根湯エキス粉末"には、7種類の生薬が配合されていますので、以下に説明をします。

  

○葛根(カッコン):マメ科のクズの周皮を除いた根

風邪の初期症状、筋肉の緊張、口の渇き、下痢などに用いる。解熱鎮痛消炎薬等に配合される。風邪を引いた時に、このクズ湯を飲んで体を温めたものである。"葛根湯エキス粉末"の主成分。

○麻黄(マオウ):マオウ科のマオウ属(草麻黄、中麻黄、木賊麻黄)の地上茎

発汗、鎮咳、利水の効果があり、発熱、頭痛、咳漱(せき)、喘息などに用いる。気管支拡張薬、解熱鎮痛消炎薬等に配合される。主成分であるエフェドリンには交感神経興奮作用があり、その作用に起因する不眠、動悸、血圧上昇、発汗、排尿障害や胃腸障害が出る可能性があるので、注意深く服用する。一般用医薬品の薬効分類では、マオウ、エフェドリン、ブソイドエフェドリン、メチルエフェドリンは、指定第2類医薬品であるが、漢方製剤の一成分としてマオウを含有する"葛根湯エキス粉末"のような配合剤の場合には、第2類医薬品に分類される。

○桂皮(ケイヒ):クスノキ科のケイ樹皮又は周皮の一部を除いたもの

発汗、手足の冷え、腹痛、下痢、のぼせなどに用いる。芳香健胃薬等に配合される。

○芍薬(シャクヤク):ボタン科のシャクヤクの根

鎮痛、鎮痙、収斂、緩和などに用いる。鎮痛鎮痙薬、慢性胃腸炎、婦人薬に配合される。

○甘草(カンゾウ):マメ科のカンゾウ属植物の根や根茎で、ときには周皮を除いたもの

鎮痛、鎮痙、解毒、鎮咳などに用いる。漢方処方薬に極めて高い頻度で配合される。

○大棗(タイソウ):クロウメモドキ科のナツメの果実

強壮、利尿、矯味などに用いる。胃腸疾患、風邪による下痢、発熱と悪寒が交互にある症状に効果的である。

○生姜(ショウキョウ):ショウガ科ショウガの根茎

芳香辛味性健胃、食欲増進、発汗などに用いる。風邪薬に高頻度で配合される。

  

"葛根湯エキス粉末"は、古くからの煎じ薬の"葛根湯"を濃縮し乾燥させたエキスを粉末にしたものです。全身を温めると同時に、7種類の生薬の相互作用によって、血行をよくし、発汗を促し、代謝を高めてくれます。"葛根湯"は、配合の妙が功を奏している漢方薬と言えます。適用範囲が広く、よく効く薬だったので、江戸時代には「葛根湯医者」という言葉や落語も生まれました。頭が痛い時でも、お腹が痛い時でも、どんな時でも調子が悪い時には"葛根湯"を処方する医者のことを「葛根湯医者」と言い、それくらい多く用いられてきた漢方薬なのです。

"エテンザミド"って?

解熱鎮痛消炎剤で非ステロイド性抗炎症薬に分類されます。主に市販の頭痛薬や総合感冒薬に配合されますが、注意を要する成分で、指定第2類医薬品となっています。頭痛、歯痛、生理痛、発熱等を抑えます。

アスピリン喘息の人、子供のインフルエンザ、消化性潰瘍、肝臓病、腎臓病、心臓病、血液の病気の人は服用できない場合もあります。

"クロルフェニラミンマレイン酸塩"って?

ヒスタミンの働きを阻害する抗ヒスタミン作用により、くしゃみ、鼻水、かゆみ、腫れなどのアレルギー症状を緩和します。
総合感冒薬(かぜ薬)、鎮咳去痰薬、鼻炎用内服薬などの他、点鼻薬、点眼薬、トローチなどの外用薬にも配合されています。
抗ヒスタミン成分の中では比較的即効性と持続性に優れている一方で、眠気や口の渇きが起こりやすい成分です。

"チぺピジンヒベンズ酸塩"って?

非麻薬性の中枢性鎮咳成分です。 咳中枢を抑制することで、咳の感受性を抑えて鎮咳成分としてはたらきます。 また、気道粘膜の線毛上皮運動のはたらきも亢進させて、痰もだしやすくするといわれています。古い薬ですが、特に安全性が重視される小児には、今でも良く使用されており、去痰薬や抗ヒスタミン薬と混合し、咳・痰・鼻水等の感冒症状の緩和に用いられています。

服用の際に特に注意しなければならないこと

○服用後の運転は控えてください。抗ヒスタミン薬の"クロルフェニラミンマレイン酸塩"には、眠気、口の渇き、眼圧上昇などの副作用があるためです。

○御嶽山風邪薬を服用している間は、他のかぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、抗ヒスタミン剤を含有する内服薬を服用しないでください。

○アルコールの摂取は控えてください。アルコールの作用により、成分の吸収や代謝を促進することがあり、副作用が発現しやすくなるためです。

○風邪の症状が改善されましたら服用をやめてください。また、稀に、よく眠れるので連用したいとのご質問を受けますが、風邪の症状以外の服用は、お控えください。

まとめ

 風邪は、ごくありふれた病気の一つですが、こじらせると体調を崩し、他の病気にかかりやすくなります。風邪気味と思われた時には「御嶽山風邪薬」を早めに服用して無理せずに休むことをおすすめします。

 添付文書には使用上の注意が記載されていますので、よく読んでから服用するようにしてください。胃の不快感、食欲不振、動悸、不眠、発汗過多等の症状が強い場合は、服用を中止しましょう。大部分は中止することで自然に改善しますが、よくならない場合は、医師、薬剤師、登録販売者にご相談ください。当社でも、薬剤師又は登録販売者が対応させていただきますので、ご連絡をいただきたく存じます。

  

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