>>会員登録いただくと生薬ブログ最新情報をメルマガにてお届けします!メルマガ登録で更に300ポイントプレゼント!

薬食同次元

木曽の味「赤かぶ漬」と「大根のしょうゆ漬」

crude_drug_202112_akakabu.JPG

 11月中旬には初雪が降り、すっかり冬の訪れた木祖村です。朝晩は零下の冷え込みで、霜で真っ白の野山や、木曽川の水面から霧の上がる様は、厳しくも美しいです。

  

 晩秋になると冬支度として漬物づくりが盛んに行われます。木曽では「赤かぶ漬」が大変有名です。甘酸っぱい赤かぶ漬は、昔ながらの木曽の味です。子どもの頃、冬に祖父母の家を訪れると、赤かぶ漬を必ず出してくれて、温かい緑茶やお菓子とともにこたつで食べたのが懐かしい思い出です。

  

 今回「赤かぶ漬」の作り方を教わりましたのでご紹介します。木祖村の出身で日野製薬に50年以上勤務しているYさんの作り方です。Yさんは料理上手で、美味しい漬物や煮物をいつも会社に持って来てくれます。「赤かぶ漬」と合わせて、もう一つの木曽の漬物「大根のしょうゆ漬」の作り方も教えてもらいましたのでご案内します。教わる時のおしゃべりも楽しく、その一部もご紹介したいと思います。

  

■赤かぶ漬

【材料】

赤かぶ 10kg

塩 500g   

砂糖 1.5kg~1.6kg

酢 7合

  

【作り方】

1. 赤かぶは皮つきのままよく洗う

2. 赤かぶが大きい場合は切る

  大きい赤かぶは4つに、中くらいは2つに切りわける。小さいものはそのまま

3. 三日程度塩漬けする

  赤かぶをかめに入れ、塩をまぶし、赤かぶと同じくらいの重さの重石(10kg)を乗せる

  水が出て来るまで漬ける。食べてみて塩辛ければ次の手順に進む

4. 酢と砂糖を火にかける

  砂糖を煮溶かす程度まで火にかけて冷ます

5. 赤かぶを塩漬けから取り出し、別の容器に入れる

6. 酢砂糖を加え、重石を乗せて一週間程度漬ける。重石は徐々に軽くする

  

【お話いろいろ】

・赤かぶは、「王滝かぶ」を使っとるよ。赤い色が良く出るからね。

・木曽には「細島かぶ」や「開田かぶ」もある。「細島かぶ」は小木曽(木祖村小木曽地区)で作っている人もあるけど、めったに種がとれないから中々出ない。「開田かぶ」は名前のとおり開田(木曽町開田地区)のかぶね。細島かぶは細い。開田かぶは平べったい。

・「王滝かぶ」の葉っぱは、すんき漬に使うよ。すんき漬は開田か王滝発祥の漬物。昔はこの辺(木祖村)では食べなかったよ。今はこの辺でも漬けとる人がいるけどね。

・砂糖は1kgと書いてある本もあるけど、今の人は甘い方がいい。私は1.6kg入れる。ざらめ1kgに白砂糖600g。でも白砂糖だけでもいいよ。

・酢と砂糖は、火にかけたりしなんで、そのまま入れる人もあるよ。でも酢のとがった感じがするかな?と思うから、私は砂糖が溶けるくらいまで火にかけてから漬けてる。塩でしっかり漬かっていれば、酢は入っていくからね。

・一週間くらいで食べられるけど、20日以上置いておいた方が良いかしらんね。なにしろ、塩に漬けてあるから、酢と砂糖に漬ければいつでも食べられるわ。3月頃まで食べられる。

・漬物は何でもそうだけど、最初は重い重石を乗せて、その後徐々に軽くする。その重さは何キロって言った方がいいと思うけど、分からんわ 笑。赤かぶ10kgに対して重石10kgっていうから、最初は大体そのくらい。そこから段々軽くしていく。

・女衆が集まると、みんな漬物を持ってくる。酸っぱい人もあれば、甘い人もある。私は甘い方がいいかな、と思うから砂糖を少し多く入れるけど、それぞれの人によって違う。これは私の作り方。人によって違うでね。

  

■大根のしょうゆ漬

【材料】

大根 10kg

しょうゆ 2升   

ざらめ 2kg

  

【作り方】

1. 大根は皮つきのままよく洗う

2. 適当な長さ(15cm程度)に切る

3. 大根をかめに入れて、しょうゆとざらめを加え、重石(10kg)を乗せて一晩漬ける。

4. 重石を軽くしてそのまま20日程度置く

  

【お話いろいろ】

・しょうゆの量が多いから初めての人はびっくりする。でも砂糖も入っているから色んなものに使えるからね。魚の煮つけとか煮ものとか。3月頃まで使えるよ。この辺は寒いから大丈夫。暖かいとカビが生えるから、涼しいところに置いた方がいいね。しょうゆは濃口でも薄口でもいいよ。

・この辺は寒いから漬物が凍ることもある。大根のしょうゆ漬や赤かぶ漬は、砂糖入れてるからか知らんが、そんなに凍らないけどね。昔は野沢菜も凍ってるかめの中から出したって聞くよ。じゃりじゃり凍ってるのを出してきて食べた。今は暖かくなってそんなこともなくなったけど。

・しょうゆとざらめは私は煮ない。煮る人もあるけど。

・大根を切る長さは適当。一回で食べるくらいの大きさでいいよ。容器の大きさもあるから。大体でいい。

・大根は20日くらい置いて味見した方がいい。切ってみて真ん中まで茶色くなければまだ。あんまり早いとまだ辛味が残ってると思う。でも食べられんことはないがね。

・大根は皮をむいて漬ける人もある。でも柔らかくなってしまうから私はむかない。

・とんがらし入れると良い人もある。昔は大きいとんがらしもあったから切って入れたけど、今は小指ばかの大きさしか取れないからそのまま入れる。辛いのが好きだったら何本か入れてもいいけど、それは好みだわ。

・しょうがをそのまま入れると良い人もある。ごろんとそのまま。しょうがも漬物になるからね。そのまま切って食べられるよ。

  

 昔は、近所の人の寄り合いや井戸端会議で、何でも教えてもらったとのこと。各自作ったものを持ち寄って、にぎやかに話しながら食べたそうです。今の時代の私たちからすると、うらやましいような気持ちがします。木祖村は料理上手な人が多いですが、お互いに作ったものを食べて、良いところ取りをしながら、相乗効果でどんどん美味しくなっていったのではないかと思います。Yさんも、今でも毎年作り方を少しずつ変えたり見直したりしているとのこと。あくなき探求心に脱帽です。

 折角作り方を教わりましたので、今年は赤かぶ漬も大根のしょうゆ漬もチャレンジしてみたいと思います。漬けたものは、Yさんや社員の皆に食べてもらって、改めてアドバイスをもらいながら、徐々に上手くなっていきたいと思います。


日野製薬オンラインショップ

>>会員登録いただくと生薬ブログ最新情報をメルマガにてお届けします!メルマガ登録で更に300ポイントプレゼント!