>>会員登録いただくと生薬ブログ最新情報をメルマガにてお届けします!メルマガ登録で更に300ポイントプレゼント!

薬食同次元

信州木曽のお正月

crude_drug_202012_ozoni.png

みなさま、明けましておめでとうございます。

新しい年のみなさまのご健康と無事をお祈り申し上げます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

  

新年初回の生薬ブログ薬食同次元では「信州木曽のお正月」をご紹介したいと思います。

新しい年を迎えるにあたり、木曽ならではの風習や文化が様々ありますが、この中でも「お年取り」と「まめでくりくりかきとるように」をご紹介します。

  

今回、取りまとめにあたり、弊社の木曽出身社員で集まりミニ座談会を開催しました。木曽の中でも、上松町、木曽町、木祖村、塩尻市旧楢川村に実家がある者です。木曽は南北に広く、全ての地域を網羅していませんが、弊社木曽出身社員の場合は、ということでご一読いただけますと幸いです。

  

おせち料理は大晦日に食べる!?

はい、そうです。これが他の地域の方に一番驚かれることかもしれません。

木曽では、大晦日に「お年取り」を行います。

「お年取り」とは、一年の無事を感謝し、家族皆で神様、仏様にお参りし、新しい年が良い年であることを願いながら御馳走をいただくことです。

  

この「お年取り」の御馳走がおせち料理なのです。おせち料理は、煮物、黒豆、田作り、数の子などです。その他に、お吸い物、茶わん蒸し、ぶりの焼き物などをいただきます。更に豪華に、刺身やカニ、肉などを食べる家庭もあるようです。また煮物は、お煮しめの家もあれば、「大平(おおびら)」という木曽地域で、古くから祝いの席で食べられてきた煮物の家もあります。「大平」は、大根やごぼう、人参、椎茸など7種類の具を小さく切って煮たものです。昔は、一年で一番豪華な食事が、お年取りであったようです。

  crude_drug_202012_osechi.png

ぶりを必ず食べる!?

ぶりの焼き物は、「お年取り」には欠かせないものです。海のない信州では、昔は魚が大変希少でした。お年取りの御馳走に、成長魚で縁起の良いぶりを食べるようになったのではないかと思います。照り焼き、塩焼き、白焼きに醤油をかけて、と食べ方は様々ですが、今回話を聞いた社員全員が、ぶりの焼き物を食べています。更に、お雑煮の出汁をぶりで取り、ぶりの切り身を入れて食べる家もあります。

  

どんなにお腹一杯でも年越しそば!?

「お年取り」は大御馳走ですから、沢山食べ、沢山飲み、お腹一杯のはずです。しかし「お年取り」から少し時間をおいて、必ず年越しそばを食べます。

  

今回の座談会で「お年取り」を、昼の12時頃から行う地域と、夕方の17時頃から行う地域があることが分かりました。昼の場合は、お年取りを終えて、一度昼寝をして、17時頃起き年越しそばを食べるそうです。一方、17時からの場合も、お年取りを終えて、団らんの時を過ごした後、22時~23時頃に年越しそばを食べます。良質なそばの採れる木曽ならではの風習なのかもしれません。

  

「まめでくりくりかきとるように」をします

元旦の朝、まずすることは、神様、仏様へのお参りです。そして席について、家族で新年のご挨拶をします。その後、新年の若水のお茶をいただきます。

そして「まめでくりくりかきとるように」をします。「まめでくりくりかきとるように」とは、豆、栗、柿を食べながら、長寿を願う習わしです。まめは元気であること、くりくりは懸命に働くこと、かきとるようには豊かになることを意味します。「まめでくりくりかきとるように」または「まめでくりくりかきとる」と声に出して言いながら、順番に食べます。なお、豆、栗、柿は、「落花生、甘栗、干し柿」の家と「黒豆、栗きんとん、干し柿」の家がありました。

  

「まめでくりくりかきとるように」の後に、お雑煮やおせち料理を食べます。

  crude_drug_202012_mamekurikaki.png

   

全体的として、おおみそかの「お年取り」の方が、元旦より主な行事であるようです。一年を振り返り、無事を神仏に感謝し、新たな気持ちで新年を迎える、信州及び木曽ならではの風習ではないかと思います。「まめでくりくりかきとるように」は子どもの頃は楽しく行っていましたが、今は家族の健康長寿を願う、思いの込められた風習であることを感じるようになりました。

思えば、お正月は家族や親せきと過ごすことが多く、あまり他の人の過ごし方を聞いたことがありませんでしたが、今回の座談会を通して、他の家でも自分の家と同じまたは似た習わしを行っていることに、驚きと感慨を覚えました。

古くから続けられてきたことには、意味があると思います。万事、すぐに意味が分からなくても、続けることが新たな発見につながっていくものと思います。私達も、古くから伝わるこれらの風習を子ども達に教え、未来につなげられますように、そして先人、ご先祖様の築いてきた土台の上で、新たな発展を遂げられますように、願う一年の始まりです。


日野製薬オンラインショップ

>>会員登録いただくと生薬ブログ最新情報をメルマガにてお届けします!メルマガ登録で更に300ポイントプレゼント!