薬食同次元
免疫力を維持するために
新型コロナウィルスの感染の拡大が続く日々です。毎日のニュースに不安な気持ちが募りますが、こんな時こそ心を落ち着けて、手洗い・うがいなど基本的な対策をしっかり行い、感染防止に努めたいものです。
さて、今日から3月です。信州ではまだまだ朝晩は零下の日々が続いていますが、空気の中に、ほんの少しだけ春の近づきを感じられるようになりました。写真は梅の花。ようやくつぼみが開き始めました。冬から春へと向かう季節の変わり目は、そもそも風邪をひきやすい時期でもあります。健康で乗り越えるため、免疫力の維持に心掛けていきたい時です。
そもそも「免疫」とは何でしょうか?「疫病を免れること」、すなわち「感染症などに一度かかると、二度目は軽くすんだり、まったくかからなくなったりすること。生体が自己にとって健全な成分以外のものを識別して排除する防衛機構」(*三省堂大辞林)とのことです。
免疫力を維持するため、私達が日常生活でできることを調べてみました。その中で3つ挙げたいと思います。
1. バランスの良い食事を摂取する
近年、免疫力を高めるために腸が重要な働きをしていることが明らかになっているそうです。腸の内壁には、体全体の免疫細胞の7割が集中しています。免疫は体内に侵入しようとするウィルスや細菌、または花粉などの異物の侵入を防ぎ、侵入してしまった時に捕らえて排除する働きをします。腸内環境を整えることが、免疫力の維持につながっていくそうです。特におすすめの食品は下記とのことです。
●発酵食品
ヨーグルト、味噌、しょうゆ、納豆などの発酵食品には善玉菌が多く含まれており、腸の働きが改善されると言われています。
●きのこ
きのこには、腸の働きを良くする食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれるとされています。
●根菜
ニンジン、レンコン、ジャガイモなどの根菜は、粘膜の働きを正常にし、白血球の働きを強化する成分が含まれると言われています。
特定の食品を多く摂取するより、バランス良く日々の食事に取り込んでいくことが重要と思います。
2. 睡眠をしっかり取る
身体に入り込んだ細菌やウィルスを処理する白血球は睡眠中に作り出されます。また睡眠中は、自律神経の副交感神経が働き粘液細胞の働きが活性化します。質の良い睡眠を取ることが、身体の防御能力を高めることにつながるとのことです。
3. 身体を温める
体温が低いと免疫細胞の活動が低下します。身体を温めるとリンパ球の増加が見られるとの研究データがあります。まだまだ寒いこの時期は、湯船につかる、運動するなど、冷えを回避するための対策を積極的に取れると良いと思います。
「笑い」が、細菌やウィルスの侵入を防ぐ免疫物質を増やすとの説もあります。あはは、うふふ、と笑うことも、免疫力アップに効果があるということなのですね。ストレスを溜めず、明るい気持ちで過ごし、病気に負けない身体を維持し、この時を乗り越えていきましょう!
【参考とさせていただいた資料】
・日本免疫学会「免疫学Q&A」
・健康長寿ネット「免疫力を高める食事とは」
・大塚製薬株式会社「免疫について」