薬食同次元

秋はしょうがでぽかぽか

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11月に入りました。皆様お元気でいらっしゃいますか。木曽では紅葉が日に日に美しさを増しています。あと一週間ほどで一番の盛りを迎えるでしょうか。モミジ、イチョウ、カラマツ、コナラ、ブナなど、木曽谷を囲む山々は赤や黄色で賑やかです。(写真は、本社周りの落ち葉かきをする昨日の弊社社員です。)

  

紅葉とともに寒い日々も到来しています。朝晩の気温は7, 8度。ヒーターや床暖をつけずにはいられない冷え込みが続くようになりました。これから寒さも本番。よく木曽のあたりの人たちは「じきに身体が慣れてくるでね」「暮の頃までの辛抱だわ」と言います。身体が寒さに順応するまで時間がかかるけれども、いずれ冬を乗り越える準備ができる、ということと思います。

  

寒さが増してくると温かいものを食べたくなります。身体を温める食べ物というとショウガでしょうか。煮物やスープに入れたり、しょうが焼きで炒めたり、食べるとぽかぽか身体が温まり、冷えには強い味方です。我が家でも最近メニューへの登場回数が増えてきました。

   

生薬としても用いられてきた生姜(ショウキョウ)

ショウガは食べ物ですが、実は日本薬局方にも収載されており、れっきとした生薬でもあります。

生薬の場合、生姜を「ショウキョウ」と読みます。

  

<日本薬局方第十七改正「ショウキョウ」抜粋>

本品はショウガZingiber officinale Roscoe (Zingiberaceae) の根茎で,ときに周皮を除いたものである. 本品は定量するとき,換算した生薬の乾燥物に対し,[6]- ギンゲロール(C17H26O4:294.39) 0.3%以上を含む.

生薬の性状 本品は 扁圧した不規則な塊状でしばしば分枝する. 分枝した各部はやや湾曲した卵形又は長卵形を呈し,長さ2 ~ 4 cm,径1 ~ 2 cmである.外面は灰白色~淡灰褐色で, しばしば白粉を付けている.折面はやや繊維性,粉性で,淡黄褐色を呈する.横切面をルーペ視するとき,皮層と中心柱は明瞭に区分され,その全面に維管束及び分泌物が暗褐色の 細点として散在する. 本品は特異なにおいがあり,味は極めて辛い.

  

また、中国最古の医学書「傷寒論」にも掲載され、明代の薬学書「本草綱目」には「百邪を能く防御する」との記載があります。日本では奈良時代から風邪に用いられてきたとされています。古くから身近に人々の暮らしの中で使われてきたことが分かります。

   

普導丸にもショウキョウを配合

弊社の「普導丸(ふどうがん)」にもショウキョウを配合しています。普導丸は、病気ではないけれど、病気になりそうな「未病」の状態におけるめまい、気分不快や乗物酔い、吐き気などに効果のあるお薬で、昭和40年代に開発されました。当時の人がなぜショウキョウを加えようと考えたのか?やはり身体を温めること、また身近に親しまれている生薬であったことが理由ではないかと想像します。普導丸には、ショウキョウの他に、オウバク、ガジュツ、トウキ、センキュウ、ウイキョウ、ケイヒを配合しています。これらの生薬は胃腸を整え、身体を温め、血の巡りを促すなどの作用があり、身体の不調に働きかけます。

 

ショウガ入りの大根と豚ひき肉の煮物でぽかぽか 

さて、先日、冷え込む日の晩御飯に、ショウガのすりおろしをたっぷりと入れた大根と豚ひき肉の煮物を作りました。片栗粉のとろみのある出汁に、ショウガのぴりっとした味で、身体が温まりほっとしました。とても簡単なレシピですがご紹介します。

  

 1. 大根を輪切りの半分に切り、米のとぎ汁でゆでる

 2. かつおだしに、とぎ汁から取り出し洗った大根を入れて火にかける

 3. 沸騰したら豚ひき肉を入れ、灰汁を取る

 4. 酒、砂糖、醤油、ショウガのすりおろしをたっぷり加えて、落し蓋をして煮る

 5. 最後に片栗粉でとろみをつけて出来上がり!

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それでは、寒さがぐんと増す11月を、どうぞ体調管理にくれぐれも気を付けて過ごされてください。