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薬食同次元

お供えの花々とキハダ

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 大きく青々と葉を広げていた本社のキハダも、徐々に黄色く落ち着いた色味を帯び、秋の訪れを感じております。弊社は10月1日に新しい期を迎えます。前期においても、多くのお客様、地域の皆様、日頃よりお世話になっている多くの皆様のお陰で、一年間を無事に過ごすことができました。心より感謝申し上げます。新しい期も、皆様の健康長寿に寄与する良質な製品とサービスの提供、社業を通して社会に奉仕することを目指し、社員一同一丸となって励んでまいります。今後とも変わらずどうぞ宜しくお願い申し上げます。

  

〇石清水祭

 さて、先月15日、京都の石清水八幡宮様にて斎行されました「石清水祭」に参列させていただきました。石清水祭は、貞観5(863)年、清和天皇の御代に、八幡大神様の御神願により、男山の裾を流れる放生川のほとりで生ける魚鳥を解き放ち「生きとし生けるもの」の平安と幸福を願う祭儀として「石清水放生会」が斎行されたことが始まりです。天暦2(948)年より、石清水祭は勅祭です。勅祭とは、天皇陛下のお使いである勅使が、直々に天皇陛下のお供え物(幣帛)の奉献に参向される祭典のことです。石清水祭は、京都の賀茂祭、奈良の春日祭と共に、旧儀による三大勅祭の一つに数えられています。

   

〇お供えされる花々

 石清水祭では、奉幣の儀において、御神前に「供花神饌」(きょうかしんせん)が奉納されます。「供花神饌」とは染め和紙による造花で、毎年十二台が新調されます。八幡大神にご覧いただき、お心をお慰めするために供されるものであり、他の神社ではほぼ例をみない特殊な神饌であるそうです。

 現在の供花神饌は、下記の十二台です。

  

 雪持竹、梅、菊、南天

 椿、水仙、松、牡丹

 橘、桜、杜若、紅葉

  

 八幡大神三座に、春夏秋冬の花をお供えするため、三座×四季=十二台を配したと言われています。供花神饌は、京都の染司よしおか六代目当主の吉岡更紗様が、化学染料を一切使用せず、天然原料のみで染色した和紙を用いて製作されています。

  

 供花神饌の彩り豊かな花々は、遠目に見ても大変美しく、凛とした雰囲気が伝わってまいります。また一つとして同じ色がなく、鳳凰や鶴などを含む花台を、全て手作業でおつくりになる大変なご苦労を感じます。

  

〇供花神饌とキハダ

 その供花神饌の作り手である吉岡様より、貴重なお話を伺う機会をいただきました。

  

 菊の花、及び、雪持竹の下にある山茶花は、キハダを用いて黄色に染めていらっしゃるそうです。また、葉の緑色は、花台によってそれぞれ黄緑色から深緑まで濃淡がありますが、いずれもキハダと藍を用いて染めていらっしゃるそうです。

 従来、古い染色和紙や染織布の緑色は、刈安の黄色と藍の青で染められたと考えられてきたそうですが、現代は分析技術が進み、キハダと藍で染められたものも多くあることが判明しているそうです。キハダは媒染が不要であること、また黄色が蛍光に光ることなどが理由として考えられるとお話いただきました。

  

 石清水祭においてキハダの樹皮は祓いにも使われているそうです。

  

 キハダが古の人々の営みに根付く大切な木であったこと、またキハダを用いる文化を継承していくことの重要性を改めて認識する機会となりました。

  

出典:石清水八幡宮社務所発行「勅祭石清水祭儀註」、「勅祭石清水祭」、石清水八幡宮HP


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