薬食同次元
キハダを美味しくいただく
御嶽山の夏山も間もなく閉山祭を迎えます。今年も多くのお客様に御嶽山麓の店舗へお越しいただき、心より感謝申し上げます。
さて、キハダは、ミカン科の落葉高木で、その周皮を除いた樹皮である生薬オウバクは、百草・百草丸の主成分です。国内産のオウバクは年々採取量が減少しています。弊社ではキハダを余すところなく活用したいと考え、昨年からキハダプロジェクトを開始しました。キハダを身近に感じ、お楽しみいただくため、食用としてのメニューも開発しています。
8月にリニューアルオープンした日野百草本舗 奈良井店では、この秋からカフェの営業も開始する予定です。8月23日より、テイクアウトのみですが、キハダを用いたメニューのご提供を始めました。2つのメニューをご紹介します。
●キハダ・ソーダ
キハダの葉を含む7種類のハーブ、スパイスに、キハダはちみつを加え、炭酸ソーダと氷を入れたクラフトソーダです。甘くスパイシーなハーブ、スパイス、及びキハダはちみつの味を、ミカン科のキハダの葉がすっとまとめてくれます。シュワシュワの炭酸ソーダと氷は、暑い季節にぴったりの味わいです。レシピの開発には伊那市のNIBIさんにご協力いただきました。
●キハダ・アイスクリーム
キハダの葉、ハーブ、スパイスを加えたアイスクリームを開田高原アイスクリーム工房さんに作っていただきました。木曽産の牛乳を使ったジェラートのようなクリーミーなアイスクリームに、キハダの葉、ハーブ、スパイスが加わり、何とも言えない美味しさです。このアイスクリームに百草丸の丸い形をイメージしたチョコレートをトッピングし、お召し上がりいただきます。
これらのレシピのベースには、昨年12月に発売したキハダ薬膳茶があります。いずれのメニューも、お客様からご好評をいただき、大変うれしい限りです。今後もキハダを用いたメニューを増やしていく予定です。
木祖村には、キハダの実を使ったキハダ餅を食べる文化があります。キハダは、雌の木に二年に一度しか実がなりません。この実からエキスを煮出し、それに餅粉や砂糖を混ぜたキハダ餅は、柑橘らしいほろ苦さの奥に甘さがあり、とても美味しいです。しかしキハダ餅づくりは、手間がかかることもあり、つくる人が年々少なくなっています。しかし木祖村に伝わる大切な味であり、ご年配者の方々から教えていただきながら、弊社において継承していきたいと考えています。今年は弊社本社のキハダについて実の生り年にあたります。今後キハダ餅そのもの、またはそれを応用したメニューを開発し、ご提供していきたいと思います。
今後も、キハダの薬用以外の様々な部分を用いたメニューを開発し、日野百草本舗奈良井店でご提供していきたいと考えています。キハダの魅力を存分に味わっていただきながら、薬食同源をお感じいただけるカフェを運営してまいりたいと存じます。カフェの本格オープン日は別途ご案内いたします。どうぞお立ち寄り下さいますようお願いいたします。