薬食同次元
季節の変化と普導丸
ここのところの急激な寒さに体調を崩されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
季節や気候の変化に身体が順応できず、肩こり、頭痛、めまい、耳鳴り、気分不快、腰痛や関節痛、もっと激しくなると下痢や便秘まで伴ってしまうような不定愁訴に見舞われ、その不快な一時を過ごして、しばらくして、ようやく身体が慣れ、元の健康体を取り戻すという経験をお持ちの方も多いのではないかと思います。他でもない私も冬の寒さに向かうこの時期には身体がなかなか適応できず難儀しています。小児、高齢者、女性、虚弱体質、アレルギー体質の方に特にこの傾向が強いのですが、健康であっても、何らかの体調不良、たとえば長雨で気持ちが沈むとか、あまりの暑さに元気がなくなってしまうことはあることです。
人間は本来「自然環境の変化に順応する」という、自然と調和する身体能力を具えているのですが、時として、その環境の変化に体が追いつかなかったり、陥ってしまった体調不良から抜け出せなかったりします。
洋の東西を問わず古代医学は自然からの影響なしに病気を考えることはできませんでしたが、特に東洋医学では人間の体は自然環境に照応していると考え、たとえば、鼻アレルギーのくしゃみや鼻水は体の中の余分な「湿気」と外界の「寒気」の感応による仕業と捉えられてきました。自然と人間は一体なのです。東洋医学では、人の体を構成する基本的な要素は「気・血・水」だと考えています。気はエネルギー、血は体の中を流れる血液、水は体の中を流れる血液以外の液体を指します。どれかの成分が不足したり、停滞したりして、この3つの要素のバランスが崩れると体に不調が起きると考え、このバランスを維持・回復し、外部環境の変化に柔軟に適応する能力を高めることを目指して複数の生薬を組み合わせた薬(漢方薬)を治療に用いてきました。
さて、「普導丸(ふどうがん)」は、当社が独自に生薬に関する知見により組み合わせを検討・開発した薬(生薬製剤)です。体を温めてくれる生薬のトウキ末、センキュウ末、ケイヒ末、ショウキョウ末に、胃腸の調子を整える生薬のオウバク末、ガジュツ末、胃腸を温めてくれるウイキョウ末を配合しています。検査で異常はなかったけれど、寒さに身体が順応できず、めまい、吐き気、気分不快、胃の不快感などの症状があるようでしたら、この「普導丸(ふどうがん)」を服用してみてください。
自然からの恵みの生薬を配合した「普導丸」は、自然と人体の関わりの急激な変化に対する「緩衝剤」ともいえる役割も担ってくれていると考えるのです。
多くの方々のご協力とご支援によって今年一年を過ごすことができましたことに深く感謝申し上げます。
皆様におかれましては、養生専一にして、新年をお迎えくださいますよう、お祈りいたしております。
参考:花輪壽彦著『漢方診療のレッスン』より