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薬食同次元

しなやかに生きる雑草たち

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 暑い毎日が続いていますが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

 くれぐれもお体を大切にお過ごしくださいますようお祈りいたしております。

 

 道端やグラウンドや空き地に生えているオオバコ。踏まれても踏まれてもたくましく生き続けている雑草の代表格がオオバコです。子供の頃、校庭の一斉清掃の草むしりで一番難儀したのがオオバコでした。とにかくちぎれない。土の上に張り付くように大きく葉を広げ、根は土の中に深く埋まり、茎はよくしなるのですが固くてなかなか切れないのです。

  

 その葉は見た目にはとても柔らかいのですが、よく見ると丈夫な筋が通っています。逆に茎は外側が固いのですが、中はスポンジ状になっていてよくしなるのです。オオバコは固さの中にやわらかさを持ち、柔らかさの中に固さを持っているのです。オオバコは「踏まれる」という力を受け流す「しなやかさ」を持ち合わせているのです。

  

 オオバコのすごさはそれだけではありません。「踏まれる」ということを巧みに利用しているのです。よくみると、オオバコは駐車場やグラウンドの周りなど、よく踏まれるところに生えています。まるで、踏まれることを好んでいるように見えます。オオバコの種子は雨が降って水に濡れると膨張してネバネバする性質がありますが、それが人間の靴や車のタイヤにくっついて運ばれていくのです。そしてそのお陰で広く分布してきたのです。昔は舗装されていない道路があちこちにあり、轍(わだち)に沿ってどこまでもオオバコが生えているのをよく見かけました。オオバコは学名を「プランターゴ」と言い、ラテン語で「足の裏で運ぶ」という意味だそうです。漢名では「車前草」と言い、これも道に沿ってどこまでも生えていることに由来しているそうです。

  

 オオバコは踏まれなければ困るほどに踏まれることを利用して種子を散布してきたのです。オオバコは「踏まれる」ことに対して特別の強さを発揮しますが、踏まれない場所では他の雑草との競争にからきし弱くてやがては消え去ってしまいます。今やオオバコは踏まれなければ生きていけないほどまでに踏まれることに適応した進化を遂げ「踏まれる場所」で圧倒的優位にあるのです。

  

 ヒルガオは夏になるといろんな場所で花を咲かせます。この写真は私どもの家の裏道の線路沿いのフェンスに絡まって咲いていたヒルガオです。あまりに見事だったので写真に撮っておいたのですが、今年はフェンスに絡まっていたこのつるがきれいに取り払われてしまいました。雑草が生い茂る前に草刈りをするのが恒例の地区一斉清掃ですが、どうやらこのヒルガオのつるも抜かれて取り払われてしまったようです。

  

 しかし、来年はまたどこからともなく蔓が延びてきて花を咲かせてくれるかも知れません。それほどまでに息を潜めながら成長し、しなやかに蔓を延ばすのがヒルガオなんだそうです。

  

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参考:稲垣栄洋著『雑草という戦略』

森昭彦著『身近な雑草たちの奇跡』


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