薬食同次元
ローマへの旅(イタリアで提唱されたスローフード)
つい先日(5/7~5/12)長年の念願が叶いローマへ旅をしてきましたが、その時に食料品を買い求めてきました。
コーヒー豆はナヴォーナ広場近くの地元の人々が多く訪れているエスプレッソ店で求めたものです。
スパゲティは観光客向けにカンポデフィオーリ広場に市が立ちそこで購入したものです。
チーズや乾燥トマトはローマの下町のテスタッチョ地区の食品市場のお肉屋さんで量り売りのものをその場で真空パックしてもらい購入したものです。
この食品市場にはシチリア地方の生産物を専門に扱う食品店が出店していて、シチリアから農産物や生産物を運んできて売っていると思われる店の人がとても自信ありげだったのでサラミソーセージを購入してみました。さて、このピスタチオを混ぜ込んだサラミソーセージの美味しいことと言ったらありません。何ともまろやかな塩味なのです。
「スローフード」とは、北イタリアのプラという小さな村で「ファストフード」に対して唱えられた言葉で、その土地の伝統的な食文化や食材を見直す運動又はその食品そのものを指すのだそうです。地域に根ざした食材を使用し、丁寧に作った食事を大切にしましょうという思いから生まれ、その土地ならではの生産方式で丁寧に生産された食材を食べることで食生活とその土地の魅力や文化までも見直しましょうということのようです。
このシチリア産岩塩を混ぜ込んだに違いないこのサラミソーセージは、まさにその「スローフード」が丸ごと感じられるようなお味でした。
日本には、仏教用語からきた「身土不二(しんどふじ)」という、人の身体と土地は切り離せない関係にあり、その土地でその季節にとれたものを食べるのが健康に良いという考え方がありますが、根底にある考え方は同じと思います。
古代の遺跡や神殿や建造物を大切に保存し、祖国や祖先を敬い、その土地ならではの生活を営んでいるローマの人々の姿勢と古代の人々の想いまでもが息づいているローマという都市に感嘆し、戻ってきました。