薬食同次元
腸内フローラを整える
今年もフキノトウ、ウド、フキ、コシアブラ、タラの芽、タケノコ、ワサビの葉、ワラビと、たくさんの山菜を食し、そのたびに山の味や香に感動しています。四季が巡りその恵みをいただき私たちは自然と共存し生きているということをしみじみ感じています。
さて、人間の腸には500~1000種類、約100兆もの腸内細菌が棲んでいると言われています。腸管の中では、様々な腸内細菌が菌種ごとに塊(グループ)をつくっていて、それらの塊が腸管の内壁に隙間なく張り付いていて、そのエリアは、まるでお花畑みたいにみえるということから「腸内フローラ」と呼ばれています。腸内フローラは「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」とも呼ばれます。
この腸内細菌は、作用によって「善玉菌・悪玉菌・日和見菌(ひよりみきん)」の3種類に分類されます。理想的な存在比率は「善玉菌が2・悪玉菌が1・日和見菌(ひよりみきん)が7」だそうです。悪玉菌が「1」を含んでいますが、悪玉菌は食べ物の消化吸収を助けたり免疫機能を高めたりする一面も併せ持っているため、撲滅せずに「少なく共存」させておくことが理想的なのだそうです。
私たちが生存している社会も同じですね。様々な個性を持った人々が集まって、社会を構成し、調和を保っています。ある一面だけをみて「ダメ」とするのではなく、その反面の良いところもみて、共存し、バランスのとれた状態を作り出しています。そういった観点では腸内細菌も人間も生物として同じなのですね。
【3種類の腸内細菌について】
・善玉菌(有用菌)
ビフィズス菌・フェーカリス菌・アシドフィルス菌など
・悪玉菌(有害菌)
大腸菌(有毒株)・ブドウ球菌・ウェルシュ菌など
・日和見菌
大腸菌(無毒株)・バクテロイデス・連鎖球菌など
体に良いとされる食べ物はたくさんありますが「腸内フローラを整える」ということに焦点をあてた場合、次の食品群がおススメとのことです。
【おススメの食品群について】
・プロバイオティクス(善玉菌を多く含む食べ物)
納豆・キムチ・ヨーグルト・チーズ・ぬか漬け・みそなど
・プレバイオティクス(善玉菌を育てる食べ物)
ブロッコリー・しいたけ・キャベツ・玉ねぎ・トウモロコシ・菊芋・わかめなど
・シンバイオティクス
プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせた食品群のことで、組み合わせることで、2つの効果がねらえると同時に相乗効果も期待できます。
【水をのむ習慣の大切さについて】
腸内ケアーには、水をのむ習慣も大切です。
腸内環境を常に整えておく基本的なことに「毎日の良好なお通じ」があげられます。毎朝、起床時にコップ1杯の水を飲むと、大腸に「ぜんどう運動を起こせ!」という指令が送られ、排便を促してくれます。日中においても、水分が少ないと便が硬くなりますので、スムーズな排便のためには、1日1.5~2リットルの水を何回かに分けて摂取すると良いとのことです。
最後に
食と健康への関心が高まり「腸内フローラを整える」いわゆる"腸活"が注目されています。
"腸活"とは、腸内環境をより良い状態にするために、食事に気を付けたり必要な運動をしたりする活動のことで、良い腸内環境とは、腸内にいる細菌の量のバランスが保たれている状態であり、この状態を目指して行うのが"腸活"です。
腸内フローラを整えて健康的な毎日を過ごしたいものです。
参考:ネット日本トリムホームページより