薬食同次元
植物分類学の父「牧野富太郎博士」
今年は例年よりも2週間以上も早く桜が満開となり、植物たちは一斉に芽を吹いて天を仰いでグングン生長しています。
さて、私はといえば、この4月から始まったNHKテレビ小説「らんまん」を楽しみにみており、見逃した回がある時には、土曜日のNHKBSプレミアムの再放送をみて、一回たりとも見逃さないようにしています。
主人公の万太郎(牧野富太郎博士)の心の底から湧き上がってくる植物に対する情熱に感動し、それと併せて、毎回映し出される、ユキモチソウ、バイカオウレン、ワカキノサクラ、キンセイラン等々の野草の美しさと可憐さに見入っています。万太郎は「おまんは、キンセイランじゃないか」と、まるで友達に話しかけるように見つけた野草に語りかけるのです。
植物分類学の父「牧野富太郎博士」は、国内に生育する全ての植物を明らかにすることを目標に掲げ、40万枚以上の押し花標本を収集、正確で精緻な植物図を描き、新種の「ヤマトグサ」を発表し、日本人として国内で初めて新種に学名を付けたのです。1500種以上の植物に名前を付け、名著『牧野日本植物図鑑』を刊行し、植物分類学の基礎を築いたのです。
高知県にある「牧野植物園」には、資源植物センターがあり、今年8月には、新研究棟が完成するとのこと。ここでは、企業や大学と連携した共同研究を通して植物エキスライブラリーを設け、エキスの生物活性などを調べ、その中から有用な植物を見出す取り組みを進めることのようです。
オウバクのエキスである百草は、「万病に効く腹薬(はらぐすり)」として、昔から多くの人々に愛用され飲み続けられてきたエキス剤です。胃腸薬としてだけでなく、風邪、赤痢、皮膚病、切り傷、貼り薬、目薬などにも用いられ、未だ説明がつかない薬効の謎を秘めています。この謎を解き明かしてみたいものと思います。誰もが納得できる説明が出来るその日に向かって歩み続けていきたいものです。
「らんまん」のドラマの主人公万太郎に励まされているこの頃でもあります。
本社のヤマエンゴサク