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薬草の花

ノコギリソウ(鋸草)【12月】

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高原に自生。園芸用にはセイヨウノコギリソウ
※ソノギリソウの花期は7~10月です

(写真①:ノコギリのような葉の緑の形から名付けられた)

葉の辺縁かぎざぎざの鋸の形をしていることからこう名付けられた。長野県内には、母種のノコギリソウのほかに、中信地方に多く舌状花がやや小さなヤマノコギリソウが
自生する。さらに、ヨーロッパ原産の帰化植物で、戦後急速に生息域を広げた、他の二種より葉の匂いがきついセイヨウノコギリソウが分布する。志賀高原などの標高の高い所の造成地で見かけるのは、ほとんどがこのセイヨウノコキリソウである。

上記の三種はいずれもよく似ていて、素人目には見分けがつきにくい。花はいずれも白いが、ノコギリソウの中にごく稀に赤花品があり、江戸時代に赤花の園芸品種もつくられていたという。


ノコギリソウの属名はアキレアで、ギリシャ神話の英雄アキレスが、これで切傷のときの軟膏をつくった故事に由来する。ノコギリソウの全草を「蓍草(しそう)」と呼び、鎮痛、解毒、止血、消炎、健胃、強壮薬とする。セイヨウノコギリソウはヨーロッパでは発汗、解熱、止血、調経薬などとし、感冒や月経不順に用いる。日本の民間薬ではノコギリソウを軟膏にして、ひょうそうなどの化膿症、湿疹などに外用する。

セイヨウノコギリソウの成分は精油成分としてa-およびβ-ピネン、シネオールなどのモノテルペン類、カマズレン・アキリンなどのセスキテルペン類が含まれる。ほかに、コハク酸やフマール酸などの有機酸も報告されている。



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(写真②:茎上部に小花が集まった散房花序をつくる)


Achillea alpina キク科ノコギリソウ属 別名・ハゴロモソウ、メドキ
生薬名●蓍草(しそう)

【ミニ図鑑】本州中部以北に自生。セイヨウノコギリソウは繁殖カか強く、一部は野生化している

▶花期 七~十月



crude_drug_231201_nokogiriso_3.jpg(写真③:カラフルなセイヨウノコギリソウの園芸品種)


出典:「信州・薬草の花」(クリエイティブセンター)
市川董一郎(文)栗田貞多男(写真)


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