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薬草の花

エゾミソハギ(蝦夷禊萩)【8月】

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八頭身の花姿。野原や水辺に。
(写真①:草丈1メートルほど。すらりとした花姿のエゾミソハギ)


エゾミソハギは、茎に毛がないミソハギとともに県内の湿地に広く自生する。そして、両者は民家の庭先にもよく植えられている。旧盆のころ、すっと伸びた花茎の先に赤紫色の花が散形あるいは穂状につく。水辺に植えられたミソハギの花姿は凉しげで、小さな花が集合する花穂の下に小形の葉が疎(まば)らにつく様子は趣きがある。

北信地方の一部では、お盆には今でも仏前に采(さい)の目に切った茄子に白米を供え、それにミソハギの小さな花束で水をかける風習が残っている。ミソハギは盆花として花瓶にも飾られる。北信地方のお盆のお供えには、ナスやキュウリでつくる牛や馬、そしてナスのお焼きとともに、ミソハギの赤紫色の小花が主役になる。花穂で水を注ぐと供物が清められるとの意味で、禊萩(みそはぎ)が転じて名付けられたという説があるが、単に溝萩(みぞはぎ)でも差し支えない。ちなみに、長野県内で盆花として使われる植物はミソハギのほかに、オカトラノオ、カワラナデシコ、キキョウ、 オミナエシ、 オトコエシ、キスゲ、キンミズヒキ、クガイソウ、 マツムシソウ、ノハナショウブなどである。



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(写真②:ミソハギはひと回り小さい。湿地などに自生するが、庭などにも植栽される)

花期が終わったころの全草を日干したものが生薬名、「千屈菜(せんくつさい)」 である。止血、下痢止めとして細菌性下痢、子宮出血に使われる。民間薬として腸炎、膀胱炎、浮腫などに用いられる。中国の民間薬では、葉をすりつぶして皮膚の潰瘍に効があるとされる。成分は配糖体のサリカリンのほかに、アルカロイドのリスラニンなど、さらにタンニンなどか含まれる。


Lythrum anceps sp.

ミソハギ科ミソハギ属  
別 名●ショウリョウバナ、ミゾハギ、ミズバナ、ボンハギ
生薬名●千屈菜(せんくつさい)
【ミニ図鑑】県内でも各地の池畔や湿地にみられる。水辺に咲く姿はさわやか

▶花期 八月


crude_drug_210801_ezomisohagi_3.jpg(写真③:お盆には、ミソハギの花は欠かせない)


出典:「信州・薬草の花」(クリエイティブセンター)
市川董一郎(文)栗田貞多男(写真)


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