薬草の花

アサガオ(朝顔)【8月】

アサガオ(朝顔) 種子は便秘に、利尿・駆虫作用も

写真1:夏の風物詩。つるを伸ばし、日一日と成長する


「朝顔に釣瓶(つるべ)取られてもらひ水」
アサガオの成長は非常に早く、加賀(かが)の千代女(ちよじょ)の句もあながち誇張とはいえないほどだ。
微速度撮影の映像を見ると、アサガオのつるは首を大きく振りながらどんどん伸び、なにかの支持物に触れると左巻きに絡み付いてさらに伸びていく。
アジア原産のヒルガオ科で、サツマイモも同じ仲間である。


平安時代、生薬名「牽牛子(けんごし)」としてアサガオの種が日本に渡来したころは、朝顔は今のキキョウのことであった。
その後ムクゲがそう呼ばれ、遅くとも江戸時代までには今のアサガオに定着したようだ。
文化、文政期にその栽培がブームになり数々の変化アサガオが生まれ、明治以降は大輪アサガオが好まれるようになった。
生薬「牽牛子」 の成分は樹脂配糖体のファルビチンや脂肪油で、排便を促す作用のほかに利尿、駆虫作用も持つ。
頑固な便秘に、乾燥した種子二~三粒を砕いて粉末にして、空腹時に服用する。
過度に使うと水様便になるので注意が必要で、妊婦や胃腸の弱い人は使用できない。

crude_drug_201908_asagao_2.jpg名のとおり花は朝咲き、昼にはしぼむ


アサガオやヒルガオの花は、昔の蓄音機のスピーカーと同じ形状をしている。
この形は、内周を縦になぞれば放物線である。
スピーカーはこの形にすることで効率よく音を放射できるが、朝顔の花は何を目的にこの形になったのだろうか。


Pharbitis nil ヒルガオ科サツマイモ属 別名●ケンゴ 生薬名●牽牛子(けんごし)

【ミニ図鑑】 アサガオは「朝の容花(かおばな)」 の意味で、朝に咲く美しい花として呼ばれた

▶花期 七~九月

crude_drug_201908_asagao_3.jpg種子を天日に干して生薬「牽牛子」とする



出典:「信州・薬草の花」(クリエイティブセンター)
   市川董一郎(文)栗田貞多男(写真)