>>会員登録いただくと生薬ブログ最新情報をメルマガにてお届けします!メルマガ登録で更に300ポイントプレゼント!

薬草の花

コウホネ(河骨)【7月】

crude_drug_210701_kouhone_1.jpg

黄一色、夏の水面に咲く
(写真①:盛夏、花と水上葉は水面から浮き出る)


地下茎は白く太く横にはい、掘り出して乾燥させると骨のように見えることより、「河の骨」と呼ばれ、それが川骨(こうほね)に転訛したとされる。その名称は漢字表記では不気味だが、この植物の葉や花姿は気品がある。県内の小川や池に自生するが、分布は限られ南部には少ない。志賀高原の蓮池の浅い部分はコウホネで覆われており、高原の景観に彩りを添えている。一方、コウホネはその花の美しさから民家の池に植えられているのを散見する。花柄が太い割に花が小さく、一見して武骨そうだが趣きのある花である。

水面から突き出た花柄の先端に、黄色い花をつける。花弁に見えるのは五枚の萼片で、その内部に雄蕊(おしべ)が変化した多数の花弁が外に向かって反り返る。花後、萼片は緑色が強まり、果実は水中で熟す。


根茎を乾燥させたものが、生薬「川骨(せんこつ)」である。植物名から生薬名がつけられたが、それは日本だけの話である。日本漢方では強壮薬、止血薬として、産前、産後の出血、月経不順などに用いられる。



crude_drug_210701_kouhone_2.jpg

(写真②:径4センチほどの花。花弁のように見えるものは萼片で、花弁はその内部に多数つく)

中枢麻痺や血管収縮作用、利尿作用を持つヌファリジン、デオキシヌファラジンなどのアルカロイドのほかに、数種の脂肪酸を含む。
コウホネ属はスイレン科の植物で、日本にはコウホネ、ヒメコウホネなど四種ほど自生する。それぞれの区別は難しく変異も多いが、コウホネは水上葉が水から浮き出て長楕円形なのに対し、他の三種は水面に浮くか広卵形である。また、コウホネ属は水上葉とは形態の異なる水中葉をもつ。


Nuphar japonicum

スイレン科コウホネ属  
別 名●カワホネ、ヤマバス
生薬名●川骨(せんこつ)
【ミニ図鑑】サ志賀高原など県内各地の池沼に自生するが、庭園の池などで栽培もされる
▶花期 七月~八月


crude_drug_210701_kouhone_3.jpg(写真③:水面に咲くと一服の清涼感)


出典:「信州・薬草の花」(クリエイティブセンター)
市川董一郎(文)栗田貞多男(写真)


日野製薬オンラインショップ

>>会員登録いただくと生薬ブログ最新情報をメルマガにてお届けします!メルマガ登録で更に300ポイントプレゼント!