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生薬の話

心と体のつながりについて

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 毎年6月の第1週の金、土、日は、奈良井宿場祭が行われ「お茶壷道中」の見物に多くの人が集まり賑わうのですが、昨年と今年は、新型コロナウイルス感染予防のため、中止になっています。


 毎年この6月初旬の奈良井宿場祭に鮮やかな濃ピンクの花を咲かせる「キョウカノコ」(写真掲載)ですが、今年は3週間も遅れて花が咲きました。いつもはこの花が咲き終わってから、梅雨に入り、夏の到来なのです。
「キョウカノコ」の開花が遅れているのは「ちょっとした番狂わせ」「何でもないこと」と思いつつも、不安がよぎり、うつうつとした日々を過ごしておりました。
「これではいけない」「気分転換をしなければ」と体を動かして作業することを思いつき、普段目をつぶっていた棚や引き出しの中の整理整頓しているうちに、棚も引き出しの中も、私の心の中にも清涼な空気が入ってきて、不思議と不安感が消えて、重苦しさがどこかに吹き飛び、元気を取り戻しました。心と体はつながっていて、健康な体の源には心があり、心のあり方が、健康を左右することを感じています。


 江戸時代の本草学者、儒学者であり『養生訓(ようじょうくん)』を著した貝原 益軒(かいばらえきけん)(1630~1714年)は、幼少の頃から病弱であったことから、自らも日々養生に努めて生活し、当時としては驚くほどに長命な84歳で天寿を全うしました。
 晩年に多くの本を著しましたが、その中でも、健康や長寿を保つための心がけを記した『養生訓』が代表的な書物の一つです。また、中国で出版された『本草綱目』に訓点(漢文を読みやすくするための仮名や符号)を付け、自らの経験から記述を加えた『大和本草(やまとほんぞう)』を著しました。自分の足で歩き、目で見て、手で触り、あるいは口にすることで確かめるという実証的な博物学書としてまとめた『大和本草』は、現在でも大変重んじられているとのことです。
 幕末に来日したシーボルトは、益軒のことを「日本のアリストテレス」と評したとありますが、アリストテレスは博物学を学び、実証的な哲学を唱えた偉人で、益軒も日頃から家族や身近な人の体調がすぐれない時は、豊富な生薬知識と医学知識で薬を調合していたとあり、実学家だったのです。

 飲食についても詳細で実践的な記述が多くあり、飲食が養生の重要な要素であり、飲食に日々気を配ることが健康維持の秘訣であると説いています。「養生の道は、病にかからない時に慎むことであり、針や灸や薬を頼みとしてはならない」「心は楽しみ、苦しまないように、身体は適度に鍛錬し、休めすぎないように、身体を甘やかしすぎてはいけない」と説いています。
 益軒は、健康を維持するために「心のあり方」を重視し「気」のコントロールが必要不可欠であると説いたとあります。


益軒の、体に良い食事と安定した生活に気を配り、体を動かし、考え過ぎることなく心の平穏を保つことで、体中に「気」が巡り、健康増進に繋がるという考え方は、現代の私たちの日常生活にも欠かせない大切な教えであると思います。


 皆様、ゆったりとした心持ちで 今年の夏を乗り越えてまいりましょう。


参考:ネット貝原益軒より


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