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薬草の花

ウイキョウ(茴香)【7月】

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 別名フェンネル。魚の生臭さを消す役目も

写真1:高さ2メートルほどにもなり、真っ黄色の小花を放射状に広げる


 その独特な風味、香りは一度覚えれば忘れがたい植物である。

西洋料理ではフェンネルの名で、魚の生臭みを消すハーブとして知られてきた。

セリ科の植物としては大振りな方で、成長すれば人の背丈ほどになる。

さらに、夏に、茎先に密集して放射状に咲く黄色い小花はよく目立つ。

ハーブの仲間のディルに似ているが、ずっと大柄である。


 生薬の「茴香(ウイキョウ)」は、秋に成熟した果実(種子)を集めて乾燥したもので、健胃、去痰、あるいは鎮痛薬として用いられる。

薬効成分は精油成分のアネトール、エストラゴール、ピネンなどで、腸の運動を促し、お腹にたまったガスを追い出す作用が知られている。

腹部の痛みを治める作用もあり、さまさまな生薬と配合して用いられる。

crude_drug_201907_uikyou_2.jpg【葉、茎、白い根は香味野菜としても利用】


 ウイキョウは香味野菜としても手軽に利用できる。

茎や白い根は煮野菜や、むいてサラダに、葉はビネガー、オイルの香り付けに使われる。

長野県はじめ、北海道や岩手県などで栽培されており、県内でも家庭菜園に植えられているのをたまに見かける。

地中海沿岸地方を原産とし、とくにヨーロッパではよく使われる。

古代エジプトでも栽培され、中国には四~五世紀に伝わったという。

腐った魚や肉に混ぜると香気を回復するので「回香」と呼ばれたのが「茴香」の語源である。

日本では香味野菜としてのウイキョウの利用は限られているが、それの持つ軽い辛味と、あまりにきつい香りが使いにくさを感ずるのだろうか。

もっと利用されてもよい植物だと思う。

Foeniculum vulgare セリ科ウイキョウ属
別名●フェンネル
【ミニ図鑑】地中海沿岸の原産 ▼花期 六~八月

crude_drug_201907_uikyou_3.jpg【よく似たハーブのディール。ふた回りほど小さく草丈1メートル弱】

出典:「信州・薬草の花」(クリエイティブセンター)
   市川董一郎(文)栗田貞多男(写真)



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