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薬草の花

イチヤクソウ(一薬草)【6月】

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ウメのよう、下向きに白い五弁花

(写真①:花茎だけがすらりと伸びて、下向きに白い5弁花をつける)

漢字で書けば「一薬草」で、一番よく効く薬草という意味である。それほどにイチヤクソウは日本では古くから親しまれ、民間で広く利用されてきた。ただ、民間薬としては重要な植物だが、漢方薬としての利用は全くない。保育社の「薬用植物図鑑」には、イチヤクソウは掲載されていない。


日当たりのよい乾燥した里山では普通に見られるが、群生することはない。花の時期に生育地を訪ねてもその周囲にはせいぜい二株、三株が寂しげに咲くだけである。しかし、イチヤクソウの花姿には落着いた気品かある。まっすぐに伸びた高さ二十㌢ほどの花茎の上部に、ウメの花に似た白い五弁花を数個つける。草丈が低いので、カメラを上から構えると単純に写ってしまう。花の内部の蕊などを写すには、思い切りカメラを低く構えて見上げるように写したらうまく撮影できた。



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(写真②:群生せず林内にひっそりと咲く)

里山に多いイチヤクソウに比べ、べニバナイチヤクソウは深山でよく見られ、大振りな草丈と桃色の花弁の美しさは目を引く。群生して咲くことか多く、葉と花のバランスがよく、写真写りかとてもよい。志賀高原では、よくスキー場で咲いているので夏の植物探訪が楽しみである。

生薬名は「鹿蹄草(ろくていそう)」 で、民間では開花期の全草を用いて、降圧、利尿、消炎、止血に利用されてきた。成分はフェノール配糖体やフラボノイドで、腎炎や膀胱炎、浮腫などの治療に煎じて服用される。また、生の葉の汁を外傷に使うこともある。



Pyrola japonica
イチヤクソウ科イチヤクソウ属
別名●キッコウソウ、 べッコウソウ
生薬名●鹿蹄草(ろくていそう)
【ミニ図鑑】イチヤクソウ科にはギンリョウソウやシャクジョウソウのような葉緑体を持たない変り種もある
▶花期 六~七月


crude_drug_220601_ichiyakuso_3.jpg(写真③:同属のベニバナイチヤクソウ。群生し色もはなやか)


出典:「信州・薬草の花」(クリエイティブセンター)
市川董一郎(文)栗田貞多男(写真)


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