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生薬の話

木祖小学校の子ども達と「キハダ植樹体験学習」

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 新緑が青さを増し、目の覚めるような美しい日々が続いています。

 5月に日野製薬ではキハダの植樹を行いました。キハダの周皮を除いた樹皮は、百草・百草丸の主成分の生薬オウバクです。木曽の豊かな自然と風土の中でキハダを大切に育て、将来の薬づくりに生かし、多くの方々の健康長寿にお役立ていただきたいとの願いを込めて、弊社ではキハダの植樹に取り組んでいます。

 今年は5月20日にやぶはら高原スキー場ゲレンデ跡地へのキハダ植樹、5月23日には木祖村立木祖小学校の5、 6年生の生徒たちと「キハダ植樹体験学習」を行いました。本ブログでは今年初めての取り組みである5月23日の子ども達との植樹についてご報告したいと思います。(5月20日についてはこちら

   

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●未来へつなぐ

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 木祖小学校の子ども達とのキハダ植樹体験学習は「未来へつなぐ」をテーマとして行いました。木曽は自然の恵みが豊かです。「薬草の宝庫」として知られ、現在も約750種類の薬草木があるとされています。古くから薬草木を暮らしに生かす先人の知恵が育まれてきました。江戸時代には木曽一帯を治める山村代官が、薬草の調査や利活用を奨励したとされています。また木曽谷は奥深い山の中にあり、林業も盛んでした。百草の由来は諸説ありますが、江戸時代に御嶽山を開山・開闢した修験者またはその高弟に村人が製法を教えていただいたとされています。木曽の豊かな土壌に育まれ、今日まで伝わると考えています。

 木曽の森、土、水の恵みや先人の知恵は、未来へつなげなくてはならない木曽の宝です。子ども達が木曽には宝物が沢山あることを知り、ともに未来へ継承していくきっかけになればと考え、本体験学習を開催することとしました。開催にあたっては、木祖小学校、地域行政、関連団体を始めとする多くの方々に多大なご支援・ご協力をいただきました。また新型コロナウイルスの感染拡大防止に十分注意しての開催となりました。

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●当日レポート1:初めて触れる生薬に興味津々

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 5月23日は空の青く晴れ渡る、快晴の日でした。木祖小学校の5、 6年生36名が参加しました。

 午前中は、百草・百草丸、生薬、キハダ、そして植樹の目的について、資料、動画、クイズなどを含めて学習を行いました。

 一番盛り上がったのは「生薬あてクイズ」でした。日野百草丸に配合する7種理の生薬のうち3種類について粉末生薬を用いて、外観、香り、味で生薬名をあててもらいました。品質管理業務で実際に実施する性状試験を模したクイズです。粉末生薬を子ども達に配るとわーっと盛り上がり、何これ?これが生薬なの?どうやってあてるの!?苦いの?と口々に話しはじめました。そして、粉末を見比べたり、香りをかいだり、少量を口にして苦い~!と声を挙げたりと、あちこちで子ども達の歓声が上がりました。そしてクイズに取り組みました。自然の生薬を用いた薬づくりには人間の五感が大切です。子ども達は、五感をフルに使い、初めて触れる生薬との出会いを楽しんでくれたようでした。

 また、キハダの樹皮、実や種にも大変興味を持ち、休憩時間にこれらを展示した机の前に集まり、社員へ次々と質問をしました。素直で真っ直ぐな問いかけに、弊社社員もしっかり向き合わなくては、と真剣に回答しました。キハダの周皮を除いた樹皮が、鮮明な黄色であることに、ええええ!そんなに黄色いの!?と大変驚いていました。きっと印象に残ったのではないかと思います。キハダの皮むきをしたいな、また黒い実について、この中に種が入っているの?家の庭に植えたら芽が出てくるの?と聞く子ども達もいました。キハダの樹皮や実については、ほしい!持ち帰りたい!という子ども達が沢山いたため、少量ずつ持ち帰ってもらいました。

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●当日レポート2:一生懸命キハダを植樹

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 午後はキハダの植樹を行いました。小学校近くの平らな土地に、子どもは一人一本ずつ、大人は一人一本ずつの計120本植樹をしました。最初に専門家から植樹方法を指導いただき、その後子ども達がそれぞれ植樹を行いました。まずはくわを使って穴を掘らなくてはなりません。午後になって気温も上昇し、これが思いの外大変でした。しかし、子ども達は皆、懸命になって穴を掘ってくれました。そして、苗木の根の部分を穴に入れて、土を丁寧にかぶせました。そして、上から体重を乗せて、土を踏みつけ、キハダの根の周りに土がしっかり付くようにしました。更に、保温・保水のため枯草を布団のようにかけて植樹は完了しました。子ども達が一生懸命に一本一本の苗木を植樹してくれたことが大変うれしく感じました。自然の植物には人の心が伝わることがあるように思います。子ども達の手で植えたキハダは、きっと大きく育つものと思います。

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●当日レポート3:キラキラとした笑顔

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 一日を通して子ども達が様々なことに興味を持ち、キラキラとした笑顔で過ごしてくれたことに、社員一同本当にうれしく感じました。閉会式後、学校へ戻る子ども達の楽しそうな顔が、大変心に残っています。子ども達は、各々の視点で何かを考え、感じ、気づきとして持ち帰ったのではないかと思います。楽しかった記憶とともに、自然の恵みの大切さ、自然の恵みを用いた暮らしの知恵の時代を越えた普遍性が、子ども達の心に残り、子ども達自身そして地域の未来につながることを願います。

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●今後に向けて

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 今年日野製薬は創立75周年を迎えます。日頃よりお世話になっている多くの皆様のお陰と心より感謝申し上げます。キハダの成長には約25年の歳月を要します。創立100周年を迎える時に、今回植樹したキハダで百草、百草丸をつくり、皆様にお届けすること、更に成長した子ども達にプレゼントすることが私どもの夢です。自然の恵みを用いて健康を維持することは、先人から伝わる大切な暮らしの知恵であり、持続可能な社会の実現に寄与するものであると考えています。弊社では百草・百草丸づくりを通してこれに貢献すべく、社員一同より一層社業に精励し、研鑽を積んで参りたいと存じます。

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