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薬草の花

ホオノキ(朴の木)【6月】

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大きな花と葉、気品と見応え

初夏に大きな葉を広げた高木のてっぺんに咲く大きな花を見かけたら、それは朴(ほう)の花である。
爽やかな風に乗って甘い香りが周囲に漂ってくる。

枝先に咲く乳白色をした花の径は十五センチほどもあり、ハスの花を連想させる。
その花を囲むように大きな葉が輪生し、さらに気品と見応えを際立たせてくれる。
秋に集合果が肥大し、中から赤く熟した袋果が顔を出し、糸で垂れ下がる。
種子が落ちた後は、集合果の鞘だけが残っているのを冬によく見かける。



樹皮を乾燥させたものを厚朴と呼ぶ

ホオノキの樹皮を乾燥させたものは、和厚朴(わこうぼく)と呼ばれるが、現在はほとんど利用されていない。
重要な漢方薬である厚朴は、中国産のホオノキ(カラホオノキ)の樹皮である。

多種類のアルカロイド、リグナン、精油を含み、鎮痛、抗けいれん、筋弛緩作用が報告されている。
厚朴は単独で使用することは少なく、漢方処方では他の生薬と配合して幅広く用いられる。
便秘や腹部膨満に対する便通作用、下痢や消化不良に対する整腸作用、神経症や呼吸器疾患の自覚症状の改善などである。



身近で、利用価値の多いホオノキ

ホオノキは漢方薬として利用されるだけでなく、材は柔らかく軽いので下駄や版木の材料になる。

そして、大きな葉は食品を包むのによく利用される。
その中で、朴葉巻きは木曽地方などで古くから親しまれてきた郷土食で、あんを入れた餅を枝が付いたままのホオノキの大きな葉で包み蒸す。
さらに朴葉味噌は朴葉の上に味噌、ネギ、椎茸などを載せて、焼いて食べる飛騨高山の郷土料理である。

ホオノキは県内の山にも広く自生し、身近な樹木で且つ利用価値の多い植物である。



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モクレン科モクレン属(Magnolia obovata)
別名:ホオ、ホオガシワ
生薬名:厚朴
花期:五〜六月



【ミニ図鑑】葉はカシワに似ているがさらに大きい

出典:「信州・薬草の花」(クリエイティブセンター)
   市川董一郎(著)栗田貞多男(著)


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