薬草の花

ウコギ(五加)【5月】

若芽や葉、独特の風味に人気

写真1:淡緑色の小花をつけたヒメウコギの散形花序


信州人にとってウコギはなじみの深い植物である。

藪の多い里山を歩けばその刺(とげ)に悩まされる。

庭の生垣は人や動物の侵入防止に用いられ、さらに若芽を食用とするために植えられているのを見かける。

県内の里山ではヤマウコギやケヤマウコギが広く自生している。

掲載した写真はヒメウコギで、この樹木は中国原産で園芸用の庭木、あるいは生垣に使われる。

日本に入ってきたのは雌株だけなので、花が咲いても結実しない。

ヒメウコギの葉も美味しい山菜である。


生薬「五加皮(ごかき)」は、中国産ウコギの根皮である。

五加皮の有効成分はセサミンやサビニンなどのリグナン類や脂肪酸等と考えられている。

漢方では風湿(筋肉や関節の病気の治療)、強筋骨、補肝腎の効能があるとされ、リウマチなどの関節痛や神経痛、腰や膝の筋力低下、インポテンツ、浮腫などに用いる。

特に下半身の治療薬として知られており、他の漢方生薬と配合して使われる

crude_drug_201905_ukogi_2.jpg【ヒメウコギ】


ウコギ科の植物は信州人にとって山菜として知られる種が多い。

タラノキ、コシアブラ、ハリギリ、ウコギ、ウドなど、いずれもウコギ科の植物だが、それらは独特の風味があり、春の味覚として親しまれている。

山菜としてのヤマウコギは春先、若芽を摘み取るが、枝には鋭い刺があるので注意が必要である。

ヤマウコギの若芽をさっとゆでて、鰹節と醤油をかけたお浸しも美味しいが、塩味でご飯に混ぜる「ウコギご飯」は絶品である。


Acanthopanax sp. ウコギ科ウコギ属

生薬名●五加皮(ごかひ)

【ミニ図鑑】日本で市販されている五加皮は、ウコギとは別種のガガイモ科クロバナカズラの根皮(香加皮) である。

▶花期 五~六月

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【コシアブラ】

出典:「信州・薬草の花」(クリエイティブセンター)
   市川董一郎(文)栗田貞多男(写真)