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薬草の花

スイバ(酢模)【2月】

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※スイバの花期は4月~6月です
酸味のある茎、根は便秘薬に

(写真①:野原や田畑のあぜ道によくみられる。花後の未熟なそう果の時期)

唱歌「酢模(すかんぽ)の咲くころ」で「土手のすかんぽ、ジャワ更紗(さらさ)」と歌われるスイバは、信州ではスイコとも呼ばれる。子どものころ、野遊びをしていて喉が渇くとスイコの茎をかじったことを思い出す。汁だけ吸って固形物は吐き出すのだが、ほどよい酸味がロいっぱいに広がり、空腹も多少は満たされたものだ。同じ、タデ科のイタドリはスイバより酸味は薄いが、やはり食べられる。

スイバの茎や花は赤みを帯び、写真にしてみると趣がある。それに対し、同じ仲間で信州ではウマズイコと呼ぶギシギシの色は全草緑色である。
スイコより大振りのウマズイコは、子どもたちのあいだでは「食べられない」とされていたが、実は山菜として食用になる。


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(写真②:すっと伸びた茎の先に咲く小さな雄花)


タデ科ギシギシ属の植物の根は便秘薬として使われる。生薬名はスイバでは「酸模根(さんもこん)」、ギシギシは「羊蹄根(ようていこん)」で、 いずれも根を乾燥したものがおもに便秘薬として用いられる。主成分はアントラキノン誘導体で、その下剤作用は穏やかである。同じタデ科ダイオウ属のダイオウは便秘薬としてより広く用いられている。生薬としては信州大黄(だいおう)がよく知られ、アントラキノン誘導体のほかにセンノシド類を含むため下剤作用はより強力である。

近年、ジャムなどに加工されるようになったルバーブはダイオウの近縁である。シベリア南部原産で、明治時代に野尻湖畔に避暑で訪れた宣教師によりもたらされ、長野県内から栽培が始まったという。 一方、スイバやギシギシは春の山菜として親しまれている。蕾の時期にスイバの茎を採取して、ひと晩塩漬けにしてそのまま食べても美味しいし、軽く湯がいてもよい。


Rumex acetosa タデ科ギシギシ属  別名●スカンポ  生薬名●酸模根(さんもこん)

【ミニ図鑑】スイバにはシュウ酸が含まれているので、過食は禁  

▼花期 四~六月



crude_drug_240201_suiba_3.jpg(写真③:薬用栽培されるダイオウ属の信州大黄)


出典:「信州・薬草の花」(クリエイティブセンター)
市川董一郎(文)栗田貞多男(写真)


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