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薬草の花

クコ(枸杞)【11月】

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※クコ(枸杞)は八~九月に花を咲かせます。


実も、葉も、根も、薬用成分豊富

(写真①:ろうと状で先が5裂した淡紫色の小花。夏の終りごろから咲く)


ひと昔前にクコの葉や実が健康によいといわれ盛んに植えられたことがあった。初秋にナスに似た径一㌢ほどの小花を付け、晩秋にトマト色の実をつけるクコはよく知られた薬草である。赤紫色の花も美しいが、赤朱色の液果も艷やかで、庭木にしても楽しめる小灌木である。

クコは東アジアに広く分布し、ナス科では珍しい木本である。信州では自然の状態ではあまり見かけないが、一般的には海岸付近、特に塩田の堤などでよく生育し、秋には赤い液果か見事だという。和名 (漢名) は、 枸(からたち)のような棘かあり、杞(こりやなぎ)のように枝がしなやかであることから名付けられた。



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(写真②:長さ2センチほどの赤い果実も薬用になる)

ナス科の植物は薬用成分が多く含まれ、薬草として広く利用されている。そのなかでもクコは特に利用価値が広く、果実「枸杞子(くこし)」も葉「枸杞葉(くこよう)」も、根皮「地骨皮(じこっぴ)」も、全て薬用に利用される。杞子は中国では薬膳料理に、日本では枸杞酒として親しまれている。アミノ酸のべタイン、カロチノイドのゼアキサンチン、フィサリエンや各種ヒタミンか含まれていて、降圧作用や抗脂肪肝作用などが報告されている。漢方では不老長寿、抗老薬の代表的な生薬である。

ナス科の植物はクコを始めとして、トマト、ホオズキ、ハダカホオズキ、ヒヨドリジョウゴ、馬鈴薯など赤い液果をつける種が多い。多くのものは甘くて食べられるが、ヒヨドリが好むというヒヨドリジョウゴは有毒である。ナス科には、ハシリドコロやチョウセンアサガオのような有毒のアルカロイドを含むものもあり、わかっているもの以外は安易に口にすべきでない。


Lycium chinese

ナス科クコ属
別 名●カラスナンバン、カワラホオズキ
生薬名●枸杞子(くこし)、枸杞葉(くこよう)、地骨皮(じこっぴ)
【ミニ図鑑】クコは山菜にも薬にも観賞用にも多彩に利用でき、庭に植えておくと便利

▶花期 八~九月


crude_drug_211101_kuko_3.jpg(写真③:同じナス科のトマトは黄色い花)


出典:「信州・薬草の花」(クリエイティブセンター)
市川董一郎(文)栗田貞多男(写真)


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