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薬草の花

オケラ(朮)【11月】

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※オケラ(朮)は九~十月に花を咲かせます。


若芽は山菜、根茎は健胃薬に
(写真①:魚の小骨のような苞葉が花を囲む)


日当たりのよい山野にごく普通に生え、そして秋の到来を告げる花である。手折れば葉も花も硬質で、ドライフラワーにしてよく利用される。雌雄異株で、同じキク科のアザミに似た花を咲かせる。昔はウケラと呼ばれていたものがオケラに転訛したという。ウケラは蓑(みの)の古語であり、軟毛を着けて三裂した若葉が蓑に似ているから名付けられたという。また、頭花や苞葉のふさふさした姿も蓑を連想させる。オケラという昆虫がいるが、その気で見ると蓑をまとった人の姿に見えなくはない。また、東北地方では蓑をケラというそうだが、何かそのあたりに共通表現があるようだ。


オケラは薬草以外の利用としては、梅雨時に部屋でいぶし、湿気やカビを防ぐのに用いられてきた。また、「山でうまいはオケラにトトキ」といわれるように、春の若芽が山菜として親しまれてきた。お浸しにすると、独特の風味があり美味しい。

crude_drug_201101_okera_2.jpg(写真②:花茎は高さ30センチほど。白花が可愛らしい)


オケラはむしろ漢方薬として重要な生薬である。根茎を乾燥したものが、生薬「白朮(ビャクジュツ)」で、中国大陸に自生するホソバオケラの「蒼朮(そうじゅつ)」とともに広く用いられてきた。成分はセスキテルペン類のアトラクチロン、ポリアセチレン化合物のアトラクチロジンなどである。白朮と蒼朮の違いは、上記の二つの成分比が異なることであり、それが薬効に現れる。白朮、蒼朮ともに健胃作用を持ち、さらに白朮は滋養作用、利水作用を、蒼朮は止痛作用をもつとされる。日本の漢方では、白朮は胃腸薬や滋養薬の配合剤として広く用いられている。


キク科オケラ属 別名●ウケラ 生薬名●白朮(ビャクジュツ)
【ミニ図鑑】主成分は一種の臭気成分のある精袖で、虫よけに使われる
▶花期 九~十月


crude_drug_201101_okera_3.jpg(写真③:太い根茎を乾燥させると生薬「白朮」となる)

出典:「信州・薬草の花」(クリエイティブセンター)
市川董一郎(文)栗田貞多男(写真)


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