>>会員登録いただくと生薬ブログ最新情報をメルマガにてお届けします!メルマガ登録で更に300ポイントプレゼント!

薬草の花

ムクゲ(木槿)【10月】

crude_drug_241001_mukuge_1.jpg

※ムクゲの花期は7月~10月です
樹皮・つぼみ、皮膚疾患などに利用
(写真①:径5~10センチ、淡紅紫か白色の花は咲いて2~3日でしぼむ)

アオイ科で中国原産のムクゲは、フヨウやブッソウゲと同じフヨウ属の植物で、韓国の国花としてもよく知られている。 アオイ科とはあまり聞き慣れない科だか、ワタやオクラも同じ科と聞くと親しみが持てる。酔芙蓉(すいふよう)やワタの花は、咲き始めは淡い色だったものが徐々に色が濃くなることで知られるが、アオイ科の他の種でもその傾向があり、いずれも、美しい花を咲かせる。


ムクゲは夏に優しい花を咲かせ、樹高も適度なので生垣などによく植えられる。開花した花を切り取って花瓶にさしても、じきに萎れてしまうので切り花には向かない。しかし、 一期一会を楽しむ茶花としての利用価値はある。もともと暖地性の植物だが、長野県内でも十分成長し、むしろ常に剪定が必要なほど繁茂する。花は次から次に咲くので、庭に一株植えておくと夏中楽しめる。


ムクゲの樹皮をはいで乾燥させたものが、生薬「木槿皮(もくきんぴ)」で、おもに水虫などの皮膚疾患の外用薬として利用される。花蕾を日干ししたものが「木槿花」(もくきんか)で、木槿皮とともに細菌性腸炎による下痢や嘔吐、下血に用いられる。成分に、クマリン誘導体やタンニン、サポニン類が含まれる。



crude_drug_241001_mukuge_2.jpg

(写真②:咲く前のつぼみを摘み取り、日干しする)

アオイ科の植物のもうひとつの特徴は、植物体全体にヌメリ気のある成分を含むことである。トロロアオイは根の粘液成分を和紙作りに利用し、オクラの果実は粘り気をもち、ムクゲも花托を潰すとネハネパする。 これらはペクチンなどの多糖類が含まれているからである。粘液成分は食物繊維で、整腸作用をもち糖質、脂肪の吸収を遅らせ、肥満、糖尿病、高脂血症を改善する。

Hibiscus syriacus アオイ科フヨウ属 別名●ハチス、キハチス、モクゲ 生薬名●木槿皮(もくきんぴ)、木槿花(もくきんか)
【ミニ図鑑】ハワイの州花ハイビスカスは和名が仏桑華(ぶっそうげ)で園芸品種も多い 

▶花期 7月~10月

crude_drug_241001_mukuge_3.jpg(写真③:同じアオイ科のワタ。花色は違うが形はよく似ている)


出典:「信州・薬草の花」(クリエイティブセンター)
市川董一郎(文)栗田貞多男(写真)


日野製薬オンラインショップ

>>会員登録いただくと生薬ブログ最新情報をメルマガにてお届けします!メルマガ登録で更に300ポイントプレゼント!