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薬草の花

ムラサキツメクサ(紫詰草)【10月】

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梅雨空の草原、鮮やかな紅紫色
(写真①:ちょっとした空地などに群生する帰化植物)

梅雨時、 ほかに鮮やかな花が咲かない草原で、 ムラサキ (アカ) ツメクサの明るい紅紫色の花はよく目立つ。シロツメクサより大振りで、小葉にあらわれるV字形の白斑がこの花の特徴である。ムラサキツメクサは牧草として移入された帰化植物なのだが、今では野生化し各地の野原や空き地によく見られ、見つけやすい薬草である。

クローバーと呼ばれるシロツメクサやムラサキツメクサはマメ科の植物で、「詰める草」 の意味である。明冶時代にイギリスを始めとするヨーロッパからガラス製品を輸入するさい、 シロツメクサの乾燥した葉を詰め物に使ったためこの名がある。 一方、 ナデシコ科のイワツメクサ、タカネツメクサの語源は爪草(つめくさ)で、細長い葉の形が爪を連想させるからである。
 

生薬名は「紅車軸草」(こうしゃじくそう)で、茎や葉を用いる。滋養、強壮薬としては、採取してそのまま油炒めにしたり、すりつぶして青汁にしたり、あるいは軽く乾燥させて必要時に用いる。成分はタンニン、クエルチセン、アスパラギン酸やイソフラボノイドのゲニスティンなどで、 マメ科の植物特有の有機物を含むが、その中でも最近よく話題になるポリフェノール類似物か注目されている。かぜ、たん、鎮静には乾燥した蕾を煎じて用いることもある。

シロツメクサも全草が鎮静剤として使用される。ウサギの餌によく用いられるから毒性はないと思われる。しかし、マメ科の植物は意外に有毒成分を持つものがあるので注意が必要である。

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(写真②:近縁のシロツメクサ。花は一回り小さい)


Trifolium pratense マメ科シャジクソウ属 別名・アカツメクサ、 アカクローバー
生薬名・紅車軸草(こうしゃじくそう)

【ミニ図鑑】ムラサキツメクサと同属のシャジクソウ (車軸草)は県内の山地に分布

▶花期 五月~十月



crude_drug_231001_murasakitsumekusa_3.jpg(写真③:同属のシャジクソウ(車軸草)。おもに山地に自生する。)


出典:「信州・薬草の花」(クリエイティブセンター)
市川董一郎(文)栗田貞多男(写真)


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