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薬草の花

ヒガンバナ(彼岸花)【10月】

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別名マンジュシャゲ。燃えるような紅赤色
(写真①:初秋、群生して咲き、遠くからもよく目立つ)


秋の彼岸のころ田や畑の畔を真っ赤に彩り、遠目にもよく目立つ花である。昔、中国から渡来したものが広がったらしい。別名はマンジュシャゲと呼ばれるが、その語源は梵語の「赤い花」あるいは、「天上の花」の意味だとされる。ヒガンバナ科ヒガンバナ属の植物は、葉が出る時期と花が咲く時期が異なるが、同科のスイセン属は葉が枯れないうちに花が咲く。

花全体が朱赤色のヒガンバナだが、その構造は複雑である。萼と花弁は区別がつかず合計六枚あり、それは花被片と呼ばれ外に強く反り返る。さらに、六本の雄蕊(おしべ)は内側に湾曲し、中心にそれより長い一本の雌蕊(めしべ)が付く。そのため花全体がふっくらと大きく見える。種子はほとんどできず、できても発芽しないため、繁殖は鱗茎が人の手で移植されて広がり、さらに栄養生殖で増える。



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(写真②:掘り起こした鱗茎は毒性が強いため、外用のみに用いる)

中国から日本に帰化して種子ができない植物には、ヒガンバナ以外にオニユリやヤブカンゾウがある。一方、ヒガンバナ科の在来種のキツネノカミソリは信州にも自生し、種子ができる。

ヒガンバナの鱗茎をそのまま食べたり、薬剤として使うには有毒成分があまりに多い。鱗茎をすりつぶして採取した澱粉粒は何度も水にさらせば、有毒成分が減って食べられるため、救荒植物として利用されたこともある。鱗茎は 「石蒜(せきさん)」と呼ばれ、主に催吐薬として用いられた。毒性が強いため、現在は内服して用いられることはほとんどない。民間薬として、鱗茎をすりおろして足の裏に貼って浮腫をとったり、乳腺炎、各種腫れものやいんきん、たむしなどに患部にあてて湿布される。


Lycoris radiata

ヒガンバナ科ヒカンバナ属
別 名●マンジュシャゲ、テンガイバナ、シビトバナ
生薬名●石蒜(せきさん)
【ミニ図鑑】全草、とくに鱗茎に強いアルカロイドを含み有毒。誤って飲食すると中毒症状を起こす

▶花期 九~十月


crude_drug_211001_higanbana_3.jpg(写真③:ヒガンバナ属で山野に自生するキツネノカミソリ。花は美しい黄朱色)


出典:「信州・薬草の花」(クリエイティブセンター)
市川董一郎(文)栗田貞多男(写真)


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