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生薬の話

途絶えることない燈明

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 つい数日前までの暑さが遠のき、山の方から涼やかな風が吹いてきます。ススキが、その涼やかな風になびき、辺りはすっかり秋の風情です。
どこかに出掛けなくても、木曽でただこうして暮らしているだけで、秋を堪能することができます。木々も少しずつ色づいてきました。今年の紅葉が楽しみです。



 さて、つい先ごろ、比叡山延暦寺根本中堂内に1200年以上もの間、灯を燃やし続けている燈明があるということを、千宗屋著『茶味空間』を読み、知ることができました。
 788年最澄が比叡山中に寺を構えた際に灯された燈明(不滅の法燈)は、なんと、その後の途方もない長い年月を経て現在まで、ずっと途絶えることなく燃え続けているのです。信長による比叡山焼き討ちの際には、平安時代から山形の立石寺りっしゃくじに分火されていた灯をもってつながれ、根本中堂内の本尊薬師如来像の前の3基の釣り灯篭中でともり続けているのだそうです。灯は、毎日朝夕に油を足すことで灯り続けているのだそうです。

 歴史や文化を語る時、よく「伝統」という言葉を用いて、"ただ単に受け継いでいく昔からの決まり事""不変のもの"と思いがちですが、伝統を次の世代に受け継いでいくためには、日々新しい油を注ぎ入れなければ「伝統=伝燈」はつながってこなかったことを如実に物語っています。時代に応じた工夫を足すことで、伝統がつながっていくことを示しています。
 「油断」という言葉は、油が絶たれること、日々の油の継ぎ足しを怠った状態のことを言い表しているとのことです。

 伝統薬と言われる当社の製品の製造においても、時代に応じた新しい工夫を加えることの大切さを諭されたように思っています。
また、日常の清掃、整理整頓、機械器具のメンテナンスなどの毎日の繰り返しの作業をたゆまず続けることが 薬づくりの根底にあることを教えていただいたと思っています。



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