薬草の花

ウコン(鬱金)【10月】

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健康食品・カレー粉の原料としても
(写真①:秋ウコンの花。大型の穂状花序で苞葉が重なり合い、頂点に向って白くなる)


ウコンは薬草として重要な植物だが、カレー粉の原料でもあり、沢庵(たくあん)やピクルスの着色料としても使われる。

その黄色は、根茎に含まれる橙黄色色素クルクミンである。


熱帯アジア原産の多年草で、長野県内ではハープで知られる北安曇郡池田町のごく限られた農家の畑や温室で栽培されているだけのようで、その大型の美しい花を見ることは滅多にない。


肥大した根茎は薬用となり、 そこから偽茎が発生する。
葉身は線形または長楕円形で、大きく五十~百センチほどに成長する。
九~十月に、葉の間から高さ三十センチほどの花茎を出し、大型の穂状花序をつける。
花穂は大きな淡緑色の苞葉が幾重にも重なり合い、頂点に向かって徐々に白色を帯びておおらかに広がり、先端がわずかに赤みを帯びる。
苞葉の間に二~四個の淡黄色の花を順次開いていく。
このウコンは秋ウコンとも呼ばれるが、同属には別種の春ウコン、紫ウコンなどがある。
春ウコンは秋ウコンよりずっと小型で、長野県内でも春先に淡いピンクが入った美しい花を咲かせることがある。


crude_drug_201910_ukon_2.jpg(写真②:長さ40センチほどもある葉の根本近くに大きな花穂を作る)


根茎をそのままゆでて乾燥し、摩擦させて皮を取り去ったものが生薬「鬱金(うこん)」で、芳香健胃薬、利胆薬、通経薬、駆瘀血(くおけつ)薬として、肝炎、胆道炎、胃炎、月経不順、産後腹痛などに用いられる。
成分は、クルクミンなどの橙黄色色素のほかに精油成分としてターメロン、 シネオールなどである。
クルクミンには顕著な胆汁分泌促進作用が、精油成分には胆道結石を治癒する作用が報告されている。


Curcuma longa ショウガ科ウコン属 別名●ターメリック、 アキウコン 生薬名●鬱金(うこん)、姜黄(きょうおう)

【ミニ図鑑】カレー粉の黄色はターメリックで、ウコンの根茎からつくられる ▶花期 九~十月


crude_drug_201910_ukon_3.jpg(写真③:春ウコンの花。秋ウコンより株も花もふた回り以上小さい)


出典:「信州・薬草の花」(クリエイティブセンター)

   市川董一郎(文)栗田貞多男(写真)