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生薬の話

漢方薬の王者 人参

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 今年は、昨年よりもずっと寒さが厳しく、毎日小雪が舞い、朝は零下10度以下の日が続いています。さらに、オミクロン株が猛烈な勢いで蔓延し、消極的な心持にならざるを得ない状況ですが、このような時にこそ、元気を奮い起こしたいものと思います。

 それで、今回は、古くから「漢方薬の王者」と言われてきた滋養強壮薬の人参を取り上げてみます。
 

 中国、韓国、日本などで古くから珍重され、民間薬に用いられてきた人参(オタネニンジンの根)ですが、中国最古の薬物書『神農本草経』には、「五臓を補い、精神を安じ、魂を定め、驚悸を止め、邪気を除き、目を明らかにし、心を開き、智を増す、久しく服すれば身を軽くし、年を延ばす」とあり、まず人参は全身に働きかけ、精神を安定させ、消極的な心持を上向きにして、心身のバランスを整え、自信を取り戻し、全身に活力を与えて身体の衰えや高齢化に伴う症状やその進行を防止する、そういった滋養強壮健胃薬とのことで、多くの漢方製剤・生薬製剤に含まれています。

 人参の含有成分は、ギンセノシドと言われるサポニンですが、あの特有の強烈な臭いはサポニン由来ではないとのこと。また、どのような成分がどのようなメカニズムで人体に影響を与えているのかが明確ではないとのことです。今のところ、人参の薬効は個々の成分ではなく、丸ごとトータルとしての薬効発現でとらえられているようです。
 
 今から60年程も前の私の子供の頃、生家の表二階の空きスペースには、人形のような形の薬用人参がたくさん干してありました。台所には、人参を漬けた薬用酒の瓶がありました。平成24年まで当社が製造していた「奇応丸」にも人参末が含まれ、当社オリジナル処方の「マカの底力」にも人参末が、通販品目として販売している「トッカピン」にも人参エキスが配合されています。

 
 高齢化社会となり、今後益々高齢化が進んでいく日本においては、私共高齢者が元気で活動し、社会の硬直化を防ぐことが必要で、健康長寿をいかに延ばすかが課題です。
人には個人差があるので、一概には言い切れませんが、西洋薬一辺倒でなく、自分に合った生薬を見つけ、その生薬のパワーを健康維持・増進に活用したいと思います。
 「久しく服すれば身を軽くし、年を延ばす」とありますように。

参考:難波恒雄先生「漢方・生薬の謎を探る」NHK出版


 


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