生薬の話
百草(黄柏由来成分)配合の御嶽目薬EX
昨日から音もなく静かに雪が降り続いています。今は「大寒」。万物を凍らせるほど厳しい寒さを迎えるので大寒というのだそうです。
そして、今年は2/3日が「立春」です。敏感な方は春の陽気がたち始めるという立春のこの頃から花粉症に悩まされます。
それで、今回は、目のかゆみにも効果のある生薬由来成分配合の「御嶽目薬EX」の効果についてお話します。
「御嶽山百草目薬」の誕生
百草の主成分オウバクに含まれるベルベリンには抗炎症作用があります。このベルベリンの薬効を点眼薬として役立てたいと考え、1991年(平成3年)5月に発売したのが「御嶽山百草目薬」です。
発売時の当社季刊誌『やまみち』に、「百草のすぐれた効能を活かした御嶽山百草目薬~木曽で生まれた百草は、目薬として利用する方法が、昔から知られていました。緑茶程度に薄く溶かした百草液をつくり、目を洗うというものです。日野製薬では、百草のもつ効能に、最新の研究に基づく成果を加えた処方により、目薬を発売しました」と、記載があります。
昔、百草は胃腸薬としてだけでなく、皮膚病、切り傷、貼り薬、目薬などの外用薬として重宝がられており、はやりめ、目やに、目の充血やかゆみ、目の疲れなどには、百草の板を湯で溶いて、脱脂綿で目を洗って治すという方法が、一般的に行われていたのです。しかし、この方法は、昔だからこそできた民間療法で、戦後は衛生管理上できなくなっていたのです。
目の炎症にこれほど効果的な百草を何とか目薬にできないかと考えた末、黄柏由来のベルベリン硫酸塩水和物に甘草由来のグリチルリチン酸二カリウムを配合し、クロルフェニラミンマレイン酸塩、コンドロイチン硫酸エステルナトリウムを組み合わせて目薬として発売したのです。
「御嶽目薬EX」って?
販売名が「御嶽山百草目薬」から「御嶽目薬」に代わり、「御嶽目薬」に配合のクロルフェニラミンマレイン酸塩とコンドロイチン硫酸エステルナトリウムを増量し、新たにビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)を追加し、処方を強化して2006年11月から販売しているのが「御嶽目薬EX」です。
「配合成分の働き」って?
- ベルベリン硫酸塩水和物(抗炎症作用・抗菌作用)
百草の原料オウバク(黄柏)の有効成分のベルベリンには、苦味健胃、腸内殺菌、整腸作用、抗炎症作用、抗菌作用等があります。この抗炎症作用や抗菌作用を点眼薬として活かすために配合したのが、オウバク由来のベルベリン硫酸塩水和物です。
目のかゆみ、充血、まぶたのただれ等の炎症を抑えます。
「御嶽目薬EX」が黄色いのは、黄柏が黄色いからなのです。 - グリチルリチン酸二カリウム(抗炎症作用・抗アレルギー作用)
カンゾウ(甘草)は、諸薬を調和する薬として漢方処方に最も多く配合されており、有効成分のグリチルリチンは、消化管疾患の漢方処方だけなく、甘味料として大量に用いられています。この抗炎症作用・抗アレルギー作用を活かすために配合したのが、カンゾウ由来のグリチルリチン酸二カリウムです。 - クロルフェニラミンマレイン酸塩(抗ヒスタミン作用)
体内にあるヒスタミンの発生と放出を抑え、アレルギー症状の目のかゆみ、充血を鎮めます。抗アレルギー作用のある成分で症状を軽減したり遅らせたり予防したりします。 - ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6:新陳代謝の促進)
目の細胞の新陳代謝を促進するビタミンで、目の疲労回復に有効です。 - コンドロイチン硫酸エステルナトリウム(角膜の保護・眼疾予防)
角膜保護作用が眼病を予防します。また目に潤いを与えと共に組織の働きを活性化させ、目の疲れを改善します。
「注意すること」って?
- コンタクトレンズご使用の場合のご注意
ソフトコンタクトレンズ(酸素透過性レンズ)を装着の方は、ご使用をお控えください。目薬がレンズの中に入り込んで、レンズが濁ったり、目薬がいつまでも角膜と接触して影響することがあります。
ハードコンタクトレンズを装着の方は、そのまま点眼して差支えありません。
ただし原則として、
- コンタクトレンズは外して点眼し、点眼後5~10分以降に装着することを推奨します。
- ハードコンタクトレンズにも酸素透過性レンズがある為、ソフトコンタクトレンズ同 様に取り扱ったほうがよい商品もあります。
- コンタクトレンズを使用の方は、コンタクトレンズの注意事項も確認してください。
- 医師の治療を受けている方、激しい目の痛み、緑内障、薬物アレルギーのある方は、医師、薬剤師、登録販売者にご相談ください。
- 開封したら2~3か月を目安に濁りがないことを確認して使用してください。
- 浮遊物があるときは使用しないでください。容器先端が目に接触しないようにしてください。
- 1才以上であれば使用可能ですが、症状が正確に伝えられるようになるまでは医師の指導を受けてください。
- 妊娠・授乳中の使用には問題ありません。
- 添付文書をよく読み用法・用量守ってご使用ください。
- 1回2~3滴、1日3~6回点眼してください。
御嶽目薬EXはどんな時に点眼すると効果的ですか?
目の疲れ、結膜充血、眼病予防(水泳のあと・ほこりや汗が目に入ったとき)、紫外線などによる眼炎(雪目など)、まぶたのただれ、ハードコンタクトレンズを装着しているときの不快感、目のかゆみ、目のかすみ、目やにの多い時などに効果があります。
高齢になると、TVやパソコン・スマホの画面を見た後に、目の疲れやかすみを感じることがありますが、そのような時に点眼すると、スーッとします。程よい清涼感と優しい使い心地が「御嶽目薬EX」の特長です。
春先になると、花粉症や花粉症でなくても目のかゆみを感じますが、そのような時にご使用いただくと、かゆみが治まります。
お子様は、水泳の後、スキーの後、ほこりや汗が目に入ったときに点眼すると眼炎予防になります。
「御嶽目薬EX」は、目の様々な症状に効く総合型点眼薬です。
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佐賀製薬株式会社