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生薬の話

先人の知恵に学ぶ "キハダを扱う"

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今から10年ほど前、キハダの苗木を御嶽山麓直営店「日野百草本舗里宮店」に植えましたが、5本の内で育ったのは1本だけです。
日当たりの良い場所に、土をよく掘り起こし、同じ条件の下に植えたのですが、他の4本は枯れてしまいました。
キハダの植樹が大変難しいものであることを実感しています。

今回は、「先人の知恵に学ぶ "キハダを扱う"」を綴ります。

かつてはたくさん自生していた良質なキハダ

「百草(ひゃくそう)」は、キハダの周皮を除いた内側の鮮黄色の樹皮(オウバク)を乾燥させ、それを刻んで熱水で煮出し・煮詰めて作ります。
戦前には、この木曽地方(特に御嶽山麓)にはたくさんの良質なキハダが自生しており、地元の多くの家では煎じ薬として自家用(家畜も含む)として作り、その優れた薬効から土産品としても販売されるようになりました。

先人の知恵に学ぶ、キハダの扱い方

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特に長野県と岐阜県の境の御嶽山の中腹に位置する日和田(ひわだ)地区には良質のキハダが産出し、亡祖父が(第10代日野文平)が日和田までオウバクエキスの塊を買いに行ったと聞いています。

昔は、キハダを輸送する手段がなかったため、採取地で抽出・濃縮までを行った「オウバクエキス塊」を購入してきて、それを小分けにして竹の皮に包み「百草」として販売したのだそうです。
おにぎりが凍ってしまうほどの厳冬の寒さの中を歩いて地蔵峠(ちぞうとうげ)(木曽福島から開田に通じる峠)を越えて買いに行ったのだそうです。

泣きたくなるような話に、そんな過酷な時期に「何故?」と思っていましたが、キハダの採取や製造は、農閑期に農家の副業として行われ、また、寒い時期に作られたオウバクエキスは腐敗や発酵やカビの発生が少なく、保存や成型に適しているからなのです。

良い薬を作るために心血を注いでいた先々代の労苦を惜しまない姿勢を心に刻み、受け継ぎ、引き継いでいくことが大切であると改めて思っています。

現代のキハダ事情

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さて、しかしながら、木曽地方のキハダは採取し尽され、今ではもっぱら外国産(中国や朝鮮)に頼らざるを得ないのが実情です。
それでも北信州の鬼無里(きなさ)や南信州の伊那谷の森林組合や木曽谷の開田・日和田の個人業者から直接キハダを購入し、国内産のキハダにこだわり一部生産を行っています。

さらに、東日本震災以降、国内の27都道府県が放射能汚染区域と指定され、放射能検査基準が規定されました。
益々、キハダは品薄となり、価格は高騰し、希少なものとなっていますが、それでも検査に合格した国内産のオウバクを使用し「日野百草丸」を製造しています。

「香り」と「苦味」が効能を左右する

天然の生薬(オウバクエキス)を用いた苦味健胃薬は、服用直後に感じる「香り」と「苦味」が胃腸の不快な症状を改善します。
品質の善し悪しは、オウバクエキスの有効成分のベルベリンの含有量だけでなく、「香り」と「苦味」が効能を左右する大きな要素であり、天然の生薬を扱う上での「要」と考えています。

生産量に限りはありますが、脈々と続いてきた国内産ならではの生薬固有の「気味(きみ):物の香りと味」をそのまま皆様にお届けしたいと思っています。

良質なキハダ:
江戸時代の蘭方医(らんぽうい)であり植物学者として知られる「飯沼慾斎(いいぬまよくさい)」は、オウバクには品質の善し悪しがあり、形状だけでなく、木曽に産するものを良品と記しています。
木曽をはじめ信州の各地域に良品のキハダが生育していたことを物語っています。


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