生薬の話
品質管理業務
気づいてみると、11月も終わりに近づき、夕方の5時過ぎには外はもう真っ暗です。冬至までにはまだ間がありますのでもっと日没が早まり、冷え込みも深まってくるものと覚悟しています。
さて、「実際のところ品質管理ってどんなことをしているの?」と思っていらっしゃる方も多いのではないかとかと思います。先日、通常の試験業務以外の品質管理業務について、一年を振り返ってみましたので、その内容の一端をお伝えすることにいたします。
昨年の10月、経営・販売部門と製造・品管・研究開発部門のメンバーが合同でミーティングを行い、製品の品質管理(改善・向上)について討議し、年間の「品質目標」を定めました。製造・品管・研究開発のメンバーは、この品質目標の達成に向けて、年間計画を立て重要課題として取り組み、本年の9月までを過ごしてきました。
品質目標の一つに手順書の作成がありました。①品質に重大な影響を及ぼす資材(特に製剤に直接触れる包材)の選定に係る手順書の作成、②データ管理を確実なものとするための手順書の作成です。両方とも本年の9月末には運用に向けての読み合わせを完了しました。資材選定に係る手順書については、品質の安定性を確保できるように新しい資材導入の際の手引書として活用します。データ管理の手順書の方は、製品を製造する過程では多くのデータを取り記録しながら作業を進めるわけですが「だれが、いつ、何をした」という基本中の基本の再確認を行い、手順書に則してデータの管理を開始しています。
二つ目には、工場内の製造環境の整備です。整理整頓・清掃・ダブルチェック・目視確認の見直しを行い、日常業務手順書に挿入し、異物混入などの予防策を強化しました。製造設備・機械の修理や更新についても検討し、原料倉庫の適正な温湿度管理のための工事を行ないました。
三つ目には、製品の市販後の安全管理です。服用方法や飲み合わせや保管方法など、お客様からの問い合わせに適切にお答えができるようにと、全社員対象の学習会を実施してきました。
今後も引き続き上記の課題をこなしつつ、丸剤の形状の向上、百草錠の包材による品質への影響評価などにも取り組んでいきます。
あまり上手にお伝えできていませんが、当社の実態を踏まえ実効性のある改善を継続的に実施していくのが「品質管理」の役割で終わりのない道を歩んでいく仕事と思っています。